【松永加奈のフランス便り34】丸見えOK?フランス暮らしにカーテンは不要です。

松永加奈 カーテン

急遽、住まいを変えることとなり、家探しから、荷造り、運搬と、てんやわんやの引っ越しを終えたばかりの<クウネル・サロン>プレミアムメンバーの松永加奈さん。新居を整えるなかで、とある住まいの傾向に気づいたといいます。

先日、急遽決まった引越しを無事終えました。リビングが中庭に面し、お向かいさんが離れていた今までのアパートとは違い、今回は典型的な住宅街。窓を開けば、細い通りを隔てて人々の生活が間近に感じる…というか、あれ、見える? そう、フランスではカーテンを閉めないお宅が多いのです。

街の中にいくつも延びる細い通りは、建物も向かい合わせで至近距離。ですが、日中は雨戸も窓も全開にしている部屋が多いのです。

転居先のリビングには厚めのカーテンが1枚。寝る前に閉めます。2.5メートルあり重くて開閉し難く「えいっ」と引いて1回外してしまいました…。

窓はスタンダードな内開き。日本のようにスライド式ではないので、窓を開いたままカーテンを開こうとすると、この通り引っかかってしまいます。

うちのバルコニーから見える夜の景色。街灯が少なくネオンがないのでアパートの窓灯りははっきりと浮かびます。友人曰く「ドールハウスみたい」。

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日本から来る人たちが夜の街で「窓の明かりがパリっぽい」と言うのをよく聞きます。カーテンがない窓にオレンジ色の光が並ぶ様子は、特別な光景ではないのですが…言われてみれば確かに。日本ではカーテンを閉めるのが習慣で、私も「外から部屋の中が丸見えになっちゃう!」と日中でもレースのカーテンを引いていました。でも今は、就寝前まで厚地のカーテンすら開けっ放し。ご近所はみんなそんな感じで、夜でもレースのカーテンだけだったり。だからバルコニーに出ると、アペロを楽しむ人たちやテレビの画面、大きな絵に古い書棚などいろんなものが見えます。もちろん、暗くなるとすぐにカーテンや雨戸を閉めるお宅もありますが、オープンにしていても目立たないというか、気にならないというか…。フランスはご存知の通り「人は人」という文化。カーテン事情についても同じかもしれません。そしてほかにも、日常の中で「カーテンがない方が楽」だと思うことがたびたびあります。

寝室はリネンと厚手の2枚仕立てに雨戸も付いていました。フランスではカーテンは閉めずとも、寝るときや夜に雨戸だけ閉めるお宅もあります。

今までのキッチンは何も付いていませんでしたが、今回はブラインド付き。でも内開きの窓なので、まだうまく使いこなせていません。

小さい中庭を取り囲み、あまり日が当たらない部屋の多くは寝室なので、夕方になると雨戸が閉まり始めます。

友人宅の窓には薄いカーテンが直付け。軽いので開閉が楽で、外からの光も取り入れやすいのがポイント。どう取り付けられているのかというと…?

窓枠の幅が狭いので「突っ張り棒」は設置できませんがこんな感じに専用の棒を差し込んで使います。

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パリの古い住宅は縦長の窓が一般的。天井も高いので、太いカーテンレールに吊り下がる長くて重いカーテンは開閉し難いのです。もし強引に布を引いて外れると、取り付けるのもひと苦労(経験済み)。同じく、レールがない部屋は設置すること自体が大変。だったら開けっ放し、カーテン無しでいいや!ということに(その場合、窓に薄いカーテンを”直付け”するパターンもあります)。また、ほとんどの窓が内開きなので、カーテンを閉じた状態だと窓が簡単に開けないという難点も(ちなみに内開きは網戸が付けられず、夏は蚊や虫との戦いです)。

部屋ごとに設置したりしなかったり、薄い布だけ使っていたり…フランスの暮らしでカーテンは「人それぞれ」の存在のようです。ただし「人通りのある場所で洗濯物を外に干すのはNG」という景観第一主義のパリ。以前、友人が窓辺の内側に段ボールを積んでいたら「うちから荷物が見えて不愉快だ」と近隣住民から苦情が入ったそう。そういえば、カーテンなしの部屋はどこも綺麗なので、見えてもいいように意識しているのかも?久しぶりにお向かいさんが接近しているアパート暮らしになった我が家。苦情が来ないように、整理整頓に励もうと思います。

フランス語で雨戸は「volets」。両面開きの鎧戸式やシャッター式、木製や金属製など、窓にカーテンがなくても「これさえあれば」の必需品。

歩道に面した1階によく見る窓の擦りガラス。一部目隠しして、上の方から明かりをとります。

こちらには珍しい網戸がある通りに面した部屋。スライド式の窓の場合、手作りで網戸を設置できます。これは虫除けというより、にゃんこ用?

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