お取り寄せというと、日持ちのする焼き菓子か、冷凍のアイスだけ、なんて思い込んでいませんか。味も食感もレストラン顔負けの、ハイレベルな取り寄せスイーツが増えています。 賞味期限をあまり気にせず、いろいろな楽しみ方ができるアイテムが多いので、自分へのご褒美にいかがですか。
実は、技術や流通の進歩で、お取り寄せアイテムは劇的に進化しています。足を運ばなければ手に入らなかった繊細なケーキも、急速冷凍などの技術で取り寄せ可能に。また、冷蔵で、レンジで温めてと、ひとつのケーキで多彩な味わい方ができるものも増えています。冷凍なら、好きな時に温度や切り方を変えて。 焼き菓子なら、できたてと1~2週間後の味や食感の違いをと、その変化も魅力的です。
1. Cheesecake HOLIC(チーズケーキ ホリック)
チーズ特有の香りと旨味をケーキで
イノベーティブレストラン「長谷川稔」のシェフが手がけるチーズケーキブランドから。風味、コク、旨味が揃った仏産カマンベール ドゥ ノルマンディを使用。
生クリームを最低限に抑え、レモンの代わりに国産の柑橘果汁で酸味をつけ、チーズそのものの味を活かしたケーキは、特有の土香と繊細な甘さが印象的。2切れ目はコショウやハチミツで変化をつけても。
2. Sincere(シンシア)
人気フレンチが作る話題のケーキ
ミシュランの星付きフレンチ店が 5月に発売するや、連日完売の人気を集めているバスクチーズケー キ。スタッフのたえこさん作は、 特徴である表面は大胆に真っ黒くなるまで焦がし、中のクリームチーズ生地は芯にいくほどレアになる焼き加減に。
届いてすぐはその食感のコントラストを、その後は 生地が落ち着いて、ほろ苦い表面が一体化したおいしさをと、2度楽しめます。
3. PATISSIER SHIMA(パティシエ・シマ)
ふわふわのロングセラーが自宅に!
仏のフレッシュチーズ、フロマージュブランのおいしさを日本に広めたいと、島田進シェフが30年以上前に考案したロングセラー。
できたてのチーズのようにガーゼに包まれているのは、メレンゲと合わせたフロマージュブランのクリーム。冷蔵庫で解凍すること2時間。ふわふわの真っ白なクリームをすくうと、中からは赤いラズベリーソースが。皿に出して果物を添えても。
4. LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakura (レス)
注目店から届くデザート感覚のケーキ
イタリア人と日本人、ふたりのパティシエが営む話題のショップが、 イートインのデザートとして提供していたケーキ。
イタリアのウォッシュチーズの代表格タレッジョを主役に、テクスチャーまで再現したケーキは、驚くほどとろとろでクセも少なくマイルド。ひんやり冷たくして、同梱のマーマレードやフルーツで爽やかさを添えれば、贅沢なアシェットデセールに。
『ku:nel』2021年1月号掲載
写真 柳原久子 / 取材・文 齋藤優子