『ひとさじのはちみつ』(マガジンハウス)を上梓し、「はちみつは、自然がくれた家庭医薬品です」と語るエッセイストの前田京子さん。「美味しいお薬」として暮らしに取り入れ、身体をすこやかに導くためのコツの【朝ごはん編】をご紹介。
■1■目覚めのスプーン一杯
頭がぼーっとしている朝に効果抜群。「はちみつの糖分は砂糖とちがって、すでにブドウ糖と果糖に分解されているから、寝ぼけた脳の細胞に素早くダイレクトに届き、エネルギーとなってくれるのです」。前田さんは歯磨きを済ませたら、スプーン一杯のはちみつをなめ、頭と身体をシャキッとさせて一日をスタート。
■2■シナモンと混ぜてトーストに
はちみつトーストにシナモンをふりかけた朝食も。シナモンには抗酸化作用やコレステロール改善が期待できる働きが。「100gのはちみつに3gのシナモンを混ぜて常備しています。そのままなめたりお菓子作りに使ったり。“味変”として、そして薬効をプラスするという意味でも、このほかいろいろなスパイスに変えて楽しんでいます」
■3■緑茶に混ぜて
「栄養爆弾」といえるはちみつで唯一、足りないのがビタミンC。それを補うのにビタミンCを多く含む緑茶は最適と前田さん。「緑茶に含まれるカテキンへの注目度は世界中で上がっていて、ミツバチ療法の研究家も、はちみつと一緒にとるとよい食材に挙げているほど」。前田さんはお茶の成分をそのまま摂取できる粉末の緑茶を愛飲。
■4■歯磨きにハッカ油と
「甘いものは虫歯のもと」という常識を覆すのが、はちみつ歯磨き。「殺菌力の高いはちみつは、ミュータンス菌の活動を抑え、悪玉菌をも退治してくれるのです」。はちみつそのものを歯ブラシに適量のせるシンプルなやり方でもOKですが、大さじ2程度のはちみつにハッカ油5~6滴を加えた自家製歯磨き剤はさわやかさもありおすすめ。
『ku:nel』2020年7月号掲載
写真 松村隆史 / 取材・文 鈴木麻子