はちみつ、その魔法のチカラ。”美味しいお薬”を日々の暮らしに

さまざまなはちみつ

ひとさじのはちみつ』(マガジンハウス)を上梓し、はちみつの魅力を世に知らしめたエッセイストの前田京子さんは、「はちみつは、自然がくれた家庭医薬品です」と語ります。栄養素のかたまりで、身体の燃料となり、免疫力を高め、不調を正す働きなどもあるはちみつ。「美味しいお薬」として暮らしに取り入れ、身体をすこやかに導きませんか?

その底知れぬ力を知ってから、はちみつは前田京子さんの暮らしに欠かせないものとなりました。「あるとき、しつこいのどのイガイガを感じて、マヌカハニーを朝と晩にゆっくりなめてみたんです。そうしたらのどの違和感がなくなって……」

以来、はちみつに「どっぷりと」はまり、元来の掘り下げ体質を発揮し、研究を深めました。たくさんの本を読み、さまざまなはちみつを試し、至った結論は「はちみつは薬だ」ということ。「インドの伝統医学・アーユルヴェーダでも、古くから医薬として用いられているし、ヨーロッパでは『アピセラピー』といってはちみつを利用した医療法が確立されています。日本でも『日本薬局方』(基礎的な医薬品が載っている公的なリストのようなもの)で医薬品に指定され、薬局で販売もされているんですよ」

はちみつQ&A
右上から時計周りに百花蜜、そば、アカシア、マヌカ、シナノキ

とにかく栄養豊富。各種ビタミン、ミネラル、酵素、抗酸化物質もたっぷり含まれ、殺菌力も備えているという魔法の食品。体調がすぐれず「何も食べられない」というときにも、はちみつをなめていれば安心だといいます。「はちみつの糖分はブドウ糖や果糖なので、消化器に負担をかけることなく体に吸収され、素早くエネルギーとなります。そして、必要な栄養素の多くも摂取できるのです」。〝ほぼ完全な栄養食品〟といえ、前田さんのお宅では非常食として備蓄も。

非常食に携帯

その威力についてさまざまな知識を得た前田さんは、暮らしのなかで効果的に活用中。化粧水や入浴剤に用いたり、虫歯や歯周病予防の歯磨き剤にしたり……。食す以外でも使い方は無限大、八面六臂の大活躍です。

「『良薬は口に苦し』っていうけれど、はちみつは美味しくて、こんなにすごい力を持っている。だれにとっても身近な存在なので、気軽に取り入れられるのもうれしいですよね」

ミツバチが一生をかけて集めたはちみつ。その恩恵にあずかり、大切にいただきましょう。

はちみつのパワーを最大限に活かす3つの基本

■1■どんな成分が含まれているの?

「栄養爆弾」と前田さんが表現しているだけあって、ありとあらゆる栄養素を含有。クエン酸、グルコン酸、コハク酸などの有機酸や、酵素類、ビタミンB群、葉酸、アミノ酸など、書ききれないほどの栄養が。ただし効用を十分に得るには条件が。それは、天然の純粋はちみつであり、非加熱であること。「精製、加糖、加熱などの加工をされたはちみつには、医薬品としての効果は残念ながら期待できず、栄養価も大きく損なわれています」

■2■効果発揮の正しいとり方は?

傷ついた細胞、特に粘膜の修復が得意分野。のどが痛い、咳が出るときなどは、ひとさじのはちみつを口に含み、上を向いてゆっくり頭をまわし、はちみつがのどに当たるようにして飲みこむ。このとき使うスプーンは、木か、ステンレス以外の金属製は避けて。「酸性のはちみつが金属に触れると変質してしまうからです」。量は一回につき、小さじ1杯程度。疲労回復や脳の活性化などが目的なら、小さじ2~大さじ1程度をとっても。

■3■選び方のコツ

花の種類によって風味や味わいも異なる。「非加熱の純はちみつが基本。非加熱かどうかは表示の義務がなく、見分けるのが難しいのですが、専門店や対面販売のお店で尋ねてみるのが一番。そばや栗、マヌカなど色の濃いはちみつほど、ミネラル豊富で胃の不調や貧血などによいとされています」。一種の花を蜜源とする「単花蜜」から好みを探すのもいいし、さまざまな花からとれた「百花蜜」は、バランスがいい上に、万能でもある。

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