普段からお互いのコーディネートをチェックし合っているという川邉サチコさん・美木ちがやさん母娘。1月20日発売のクウネル3月号では、フランス女性のスナップ写真を見ながらおしゃれのポイントを語っていただきました。誌面で紹介しきれなかったお二人のコメントも交えてお届けします。
川邉サチコ/かわべさちこ
1938年生まれ。イッセイミヤケ、イヴ・サンローラン、クリスチャン・ディオールなど、国内外の広告、アーティストのヘアメイクを手掛ける。
美木ちがや/みきちがや
クウネル・サロン プレミアムメンバー。母、サチコさんと共にトータルビューティサロン「KAWABE LAB」を主宰。Instagram:@chigaya_miki
01 :パリストリートスナップ
写真を机いっぱいに並べて、わいわいと始まったスナップチェック。パリで暮らす女性たちの想い想いのコーディネートを前に、お二人とも興味津々です。
何気ない服を自分のものにしている人に惹かれる、と語るのは、母・川邉サチコさん。
「いいブランドを着ることと、おしゃれをすることは別物だと思うの。買ったばかりのピカピカの状態を持つよりも、使い込んだヴィンテージの方がカッコよく見えたりする。
ブランドの力で自分をレベルアップさせようとする人が多いけれど、おばあちゃんから譲り受けた服を取り入れたり、思いもしない着こなしで個性を出しているパリの女性たちを見るとハッとします」。
Sachiko’s favorites
そんな川邉サチコさんが選んだストリートスナップはこちら。どれもベーシックな色合いで、一つ一つのアイテムはシンプルながら、「その人らしさが現れている」コーディネートだと言います。
「こなれて見える人に共通するのは、自分をよく分析して、似合うものをしっかり見極めていること。例えばパスカル・フレノアさんは、日に焼けた肌や癖毛も含めておしゃれを体現しています。流行に左右されることなく、自分をよく知っている人は、佇まいも自信に溢れていて成熟した女性の強さを感じますね」
一方、エネルギーを感じるファッションが好きだという娘・美木ちがやさん。「アイテムの素材や形、色合いなどをきちんと計算した、おしゃれへの意気込みを感じるコーディネートに魅力を感じます」と、選んだスタイルがこちら。
Chigaya’s favorites
「犬の毛色と色を合わせたティフェンヌ・シュヴァリエさんのコーディネートにはキュンとしました!私もよくお散歩の際は愛犬とのリンクコーディネートを楽しんでいます。ちょっと出かける、お散歩する、という間でも、お洒落する楽しみを忘れずにいたいですね」
02 :パリコレ会場スナップ
スナップ談義はファッションのプロたちが集うパリコレ会場編へ。「プロがトレンドをどうやって落とし込んでいるかを見るのは楽しい!」とこれまた大盛り上がり。
「自分ができない格好を選んでみた」と川邉サチコさんがチョイスしたのがこちらのスナップ。
Sachiko’s favorites
「スタイルの良さがよく活かされています。ポケットのさりげないルイ・ヴィトン含め、さらっとなんでもなく着こなしているのがいい」
「パンツの柄とスニーカーの柄を繋げて脚長に見せているところがさすが。まとめた赤髪も全体のコーディネートを引き締めていますね」
Chigaya’s favorites
「髪型やネイルの色まで緻密に組み立てている人が多くて、選ぶのが大変でした」と美木ちがやさん。その中でも洗練されている、と選んだコーディネートがこちら。
「実はインスタグラムをフォローしているほど、彼女のファッションには目を見張るものがあります。ピッタリしたサイハイブーツと、ロングネックレスにミニバッグ。トレンドを取り入れるのが本当に上手で見ていて楽しい!」
「肩に入れたパッドとツンとしたつま先、短い丈のジャケットにプラダのTシャツのロゴの位置まで完璧に計算されています。エルメスのバッグだけ色を取り入れているところも素敵で、うっとりしてしまいます」
「パーソナリティが出るスナップを見て、ファッションで個性を表現することについて改めて納得しました」(川邉サチコさん)
「国籍も年齢も関係なく、好きな服を着て全身でおしゃれを楽しんでいるパリの女性たちを見ると、大人だからといって着るものを制限しないで、堂々としていきたいと再確認しました。」(美木ちがやさん)
パリスナップ:写真/新村真理、篠 あゆみ コーディネート 鈴木ひろこ
インタビュー:写真・文/久保田千晴