【住まいと暮らしvol.27】季節の花や果物を取りいれた、リズムのある暮らしー織物作家 上杉浩子さん

上杉浩子

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の甲斐みのりさんのバトンを受けてご登場いただくのは、織物作家の上杉浩子さんです。

上杉さん・暮らしのルール

住まいと暮らし 上杉浩子 プロフィール

1)朝は白湯を飲んで、ラジオ体操でスタート
2)一日一度は、ぼーっとしながら外を眺める時間を作る
3)季節のものを食べる

羊毛を洗い、染め、手で紡いだ糸を手織りするという、手間ひまかけたホームスパンで、マフラーやストールなどを作る上杉さん。
「ホームスパンの仕事は、とにかく目と手を酷使します。集中しすぎると体調を崩すので、適度に休みながらやるのが長く続けるコツ。一日に一度は、お茶を飲みながら、ぼーっと窓の外の緑を眺めて目を休めるようにしています。ありがたいことにわが家の庭には、たくさんの野鳥がやって来ます。美しいさえずりを聴くと、心身ともにリフレッシュして仕事を再開できます」

自宅で座り仕事なので、運動不足が気になっていたという上杉さんが始めたのはラジオ体操。
「ひとつひとつの動作と呼吸を意識して第1から第2まで。意外と身体が伸びて暖まり、朝ごはんもおいしくいただけるし、気分良く愛犬の散歩にも出かけられて一石二鳥です」
食べることが好きで、いつもおいしいものに囲まれている上杉さん。生命のエネルギーがぎゅっと詰まった季節のものから、元気をもらっているのだとか。
「歳を重ねて無理をしなくなりました。去年できていたことが、量も質もスピードもちょっとずつ落ちてきていることを実感して、今までは気力と勢いで何とかできたことも、身体と相談しながらできることを丁寧にやっていく、という方向にシフトしています。でもそれは残念なことではなく、このスピードだからこそ見える、景色や新しい発見があると思います。人生はいつだってその時々の味わいがあるのだと思うと、歳を重ねることも楽しくなります」

上杉浩子
ホームスパン作家というお仕事柄、家のあちこちに以前作ったブランケットを置いているそう。「お茶を飲みながら本を読んだり、ぼんやり外を眺めたり。くつろぎの時間にあたたかく寄り添ってくれるブランケットが大好きです」
上杉浩子
いろんな花木を少しずつ買って、家のあちこちに飾って。「いかにも「花器」然としたものよりも、アンティークの空き瓶など、もともとは花器ではないものに活けるのが好み。左はもともとリキュールが入っていた陶製の瓶。右はイギリスで使われていたワイングラスを洗うための道具だそう」
上杉浩子 花屋
インテリアは頻繁に変えられない代わりに、気軽に部屋の雰囲気や気分を変えたいときには花屋へ。「近所のお花屋さん「エルスール」に駆け込みます。入り口からすでに、パリに来たのかと見まごう佇まい。ひと枝活けただけでお部屋の空気がふわっと変わるような、センス抜群のセレクト。欲しいお花がありすぎて、いつもあれこれ悩んでしまいます」
上杉浩子
見つけると必ず買ってしまうという、「オードリー・ノスタルジック」という名前の薔薇。「楚々としたクラシックなドレスのような、ほんのりエクリュの花びらがなんとも可憐で大好きです」
上杉浩子 味噌
夫婦共に、家が仕事場。「一日3食とも家で食事することが多く、毎日必ず一度はお味噌汁を食べています。興味から始まった手前味噌仕込みも20年以上。今では米味噌、麦味噌、3年以上寝かせた味噌の3種類を気分や季節に応じて合わせています。食欲がない時でも身体が温まり、お腹が落ち着きます」
上杉浩子 手作りの梅干し
お味噌とともに作り始めた梅干しも、一日一粒が日課に。「食べるたび「梅はその日の難のがれ」と心の中でつぶやいています」
上杉浩子 パン
週に一度、パンを焼くという上杉さん。「味噌を作るときに取っておいた米麹で起こした酵母は、もう10年以上かけついだベテラン。先日イギリスに住んでいる友人から、トラディショナルなオーブンミトンを誕生日プレゼントにいただいたので、なにかと使いたくて、あれこれ焼いています」
上杉浩子 季節の果物
季節の果物を見ると買わずにはいられないという上杉さん。「果物は、見るのも食べるのも大好き。そのままはもちろん、サラダに入れたり、白和えのような和食に取り入れてもおいしいですね」
上杉浩子 レモン
庭にはレモン、文旦、柚子、ジューンベリー、ブルーベリーが。「食べられるものを植えたい、食いしん坊です。今年も無事にレモンが実ってくれました。裏年なのでちょっと少なめです」
上杉浩子 おすそ分け
なった実は、食べる分だけそのつど収穫しておすそ分け。「近所の友人や英国菓子屋「kies」さんにおすそ分けしています。農薬も肥料も未使用、放ったらかしの自然栽培だから、皮まで使えるのでお菓子や料理に重宝しています」
上杉浩子 kiesのケーキ
おすそ分けした果実はケーキになって帰ってくることも。「「kies」さんにおすそ分けしたレモンが、おいしいヴィクトリアサンドウィッチケーキに。レモンカードでスポンジをサンドして、チョコレートバタークリームをトッピング。おいしいお菓子屋さんが近所にあるって、とんでもなく幸せなことです」
上杉浩子 お茶
お茶をするのは大切な時間。「仕事場と住まいが同じ場所なので、オンオフを付けるために、意識的にお茶の時間を作ります。緑茶、珈琲、紅茶、中国茶、ときには庭のハーブを摘んでハーブティーに。お気に入りのお茶で一息つくと、その後の仕事もはかどるかも」
上杉浩子 ハンドクリーム
ハンドクリームは欠かせないもののひとつ。「犬をなでたり仕事で羊毛を触っていると、手の脂をもっていかれるらしく、手がかさついてくるといよいよ冬本番のスタート。ハンドクリームの出番。いろいろ試してたどり着いた私的最強アイテムがこれ。特に「Lo」のハンドクリームはお風呂上がりに手のついでに全身に使用すると、うっとりするような癒しの香りに包まれ、眠りにつけるという贅沢な特典も」
上杉浩子 犬の散歩
愛犬の散歩が日課。「ミニチュアシュナウザーのラングとの毎朝の散歩は、14年間ほぼ毎日の日課。嵐の日も雪の日も真夏日も、同じ公園を歩いていると、自然に季節のうつろいに敏感になります」
上杉浩子
クリスマスの訪れを知らせてくれる宿り木。「花屋に宿り木が並びだすと、部屋の片隅に、少しずつそれらしい飾り付けを始めます。クリスマスとは関係ないけれど、友だちからいただいたフランスの古い陶製のフェーブを並べてみたら、なんとなくいい感じに」
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上杉さんがバトンを渡すのは、手仕事作家、ライアー奏者の山下りかさん。「りかさんのように、優しく広い心を持って、何ごとにも分け隔てなく接することのできる人を他に知りません。りかさんの指から奏でられるライアーの音は、りかさんそのもの。混じり気のない純粋な愛が込められていて、いつも心の深いところまで響いて癒してくれます。もちろんファッションもその暮らしぶり(日本のターシャ・テューダーのよう)もため息が出るほど美しくて、いつもときめいてしまいます」と上杉さん。山下さんの暮らしは、1月上旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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