素敵なコーディネートが人気の〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーの菜木のり子さん。モデルとしてファッションの世界で活躍し、さまざまなおしゃれを経てきたいま、一番心地いいスタイルは?
私のおしゃれ遍歴
10代でモデルの仕事を始めてから、私の服探しは最寄駅デパートの小さな子供服売り場から原宿竹下通りへ昇格。その後古着やグランジを経て、20代前半はコムデギャルソン、ヨージなどの真っ黒期に……。
25歳から住んでいたparisではカジュアルに目覚め、その後子育て中は幼稚園送迎や学校行事など用途に合わせそのカジュアルも「綺麗目」に移行。さらに「ラグジュアリー」がプラスされる頃には、もう私の服好き熱はMAX!「流行りの特急列車」から降りられなくなったこともありました。
私のおしゃれ遍歴を振り返ると、コーディネイトの原点となっているのは、幼い頃通っていたピアノの発表会での正装スタイル「白いブラウスに紺のスカート」。敬虔なクリスチャンである先生の意向で決められたものでした。
シンプルな組み合わせなのに、それぞれが選ぶスカートやブラウスの形によって「個性」や「らしさ」はきちんと表現され、ハレ感があるのに華美すぎず、子供らしいのに品がある。それはまるで魔法のコーディネイトのように思えました。程なくして練習が嫌でピアノは辞めてしまったけれど、その時の集合写真は今も私の大切な記憶の一つとなっています。
いまはシンプルなスタイルに
さて今年も季節が巡りまた冬物の出番がやって来ました。
「流行りの特急列車」を降りてから。元々好きだったシンプルなスタイルが戻ってきています。
数年大切に着ているニットなどを今年もクローゼットの手前に移動して準備OK。それらをローテーションしながら制服のように、ユニフォームのように着るのが「ケの日コーデ」となっています。
大切なのは「安心感」
それは決しておしゃれを諦めたからでも、服への興味が失せたからでもなくて、もう少し楽に服を着ようと思ったからです。色も形も似通った「変わり映えしないけど好きな服」は流行りの服を纏う緊張感とは違う安心感をもたらしてくれるので、なんだか着ていて心地くリラックスできます。
もちろんそればかりでは物足りないから、たっぷりお洒落して出かける「ハレの日コーデ」企画も忘れません。今は鎧ではなく「ライナスの毛布」のような優しい服が着たい。そんな気分になっています。
撮影(人物)/近藤沙菜、(物)菜木のり子