サウナ―上級者が次に目指すべきはここ。オーストラリア・タスマニアの森の湖に浮かぶ最高のサウナ

湖に浮かぶサウナフローティング・サウナ・ダービー

マチュア世代憧れの旅の目的地・オーストラリア。限界集落状態だったタスマニア島のダービーという町で見つけた、ユニークな宿泊施設『ブルー・ダービー・ポッズ・ライド』をご紹介します。


タスマニアのユニークな宿泊施設
『ブルー・ダービー・ポッズ・ライド』


オーストラリアの南に浮かぶタスマニア島の北東部にあるダービーという町は、19世紀後半から20世紀半ばにかけて錫の採掘で栄えましたが、その後は廃れる一方で、ほとんどゴーストタウン化していたそうです。

限界集落状態からダービーを救ったのが、マウンテンバイクを愛好するコミュニティーでした。

2015年にトレイルビルダーたちがマウンテンバイク用のトレイルを作り始めると(錫の採掘作業用に作られたトンネルなどもコースに入っていた)、愛好者たちに高評されるようになり、17年には世界最高峰の競技会が開かれるまでになりました。町の人口も109人(2021年)まで回復しています。

スティーブとタラのハウエル夫妻が切り盛りする『ブルー・ダービー・ポッズ・ライド』は、ネイチャーコンシャスな設計の客室や共有スペースで過ごすことができるユニークな宿泊施設です。

マウンテンバイクのインストラクターを務めるスティーブ・ハウエルさん
マウンテンバイクのインストラクターを務めるスティーブ・ハウエルさん
タスマニアの森の風景
本格的なマウンテンバイク体験を経験できる
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ここでは初心者でもインストラクターの丁寧な指導の下、レンタルバイクで気軽にマウンテンバイク体験ができます。短い距離とはいえ、トッププロも走るトレイルを走るのは痛快な経験でした。なんと言っても、周りの自然が素晴らしい!自転車にさえ乗れれば、誰でも同じ高揚感が得られるでしょう。

ダービーでのもう一つのお楽しみは、『ブルー・ダービー・ポッズ・ライド』から徒歩圏内(途中に吊り橋も)の湖に浮かぶサウナ『フローティング・サウナ・ダービー』です。ブルセイス・ホール(地元の人は「ダービー湖」と呼ぶ)は、鉱業によって生まれた湖です。

湖に浮かぶサウナフローティング・サウナ・ダービー
湖に浮かぶサウナは岸辺とブリッジで繋がっている
ブルセイス・ホールに飛び込んでいる女性の写真
温まったら湖にダイブ!
サウナ「フローティング・サウナ・ダービー」の外で座る女性
静寂の中で次第にととのう
ブルー・ダービー・ポッズ・ライド」の軽食
軽食と言ってもボリュームは十分
タスマニアはスパークリングワインのグラスを持つ女性の立ち姿
タスマニアはスパークリングワインの産地としても有名
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切妻屋根を持った2つの小屋──黒いサウナ棟と白い更衣室棟──の他に人工物は何ひとつ見当たりません。サウナで十分に温まったら、目の前の湖に飛び込んで冷やします。スパークリングワインと軽食をサウナの中で楽しむこともできます。

心身ともにととのって『ブルー・ダービー・ポッズ・ライド』に戻りました。〈冒険〉の後には、ローカルな食材やプロダクツを使った食事をタスマニア産のワインと楽しむことができるというわけです。

「ブルー・ダービー・ポッズ・ライド」を切り盛りしているタラさん
ダイニングルームで迎えてくれたタラさん
「ブルー・ダービー・ポッズ・ライド」のランチ風景
ランチの準備ができたテーブル。タスマニアは食材の宝庫でもある
「ブルー・ダービー・ポッズ・ライド」のポッドの外観
ポッドのひとつ。中からホビットは出てきそう‥‥
「ブルー・ダービー・ポッズ・ライド」のポッドの内観
ポッドの内観。森の木を切ることなく設計・施工されている
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ブラックウッドツリーの林に囲まれたガラス張りのダイニングで食事をしていると、自分たちが普段いかに自然と乖離した環境で暮らしているかに気づきます。オフグリッドを謳っていることもこの施設の特徴です。オフグリッドとは、電気・ガス・水道などを自力で賄う生活様式のこと。

ゴミや廃水の管理を自前で行うことも含みます。環境負荷の少ない場所に滞在することはそれだけで精神的に楽な気がして、これからの時代にはそういうことも旅の重要な要素になるに違いないと思いました。

ポッド(豆のさやや繭を意味する)と呼ばれる小さなコテージにあるのはベッドだけ。ヘッドボードの代わりにあるのは横長の窓。そこからは精霊が現れそうな森の風景が眺められます。

「ブルー・ダービー・ポッズ・ライド」のヘッドクォーター
朝の光が溢れるヘッドクォーター
タスマニアの森で見つけたライカワセミ
ワライカワセミ
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近くを流れる川の音以外に騒音は皆無です。マウンテンバイク体験と、サウナと、おいしいワインに、このストレスフリーなポッドとくれば、熟睡は確約されたも同然でした。

写真/浮田泰幸、取材協力/オーストラリア政府観光局

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