【伊藤千桃さん・山の上の台所から】 残暑を乗り切る赤い料理とドリンクレシピ

伊藤千桃さんと青柚子

猛暑が続いたこの夏も、葉山に暮らす伊藤千桃さんは変わらず溌剌としていて夏バテ知らず。まだまだ蒸し暑い日々が長く続き、食欲も落ちてしまいがちなこの時期におすすめなメニューを教えていただきました。


ビーツや赤唐辛子を使った赤い料理


ビーツと一緒に漬けた赤い卵はビーツのピクルスを添えて前菜に
ビーツと一緒にゆで卵をピクルス液に漬けこんでおくと半日で鮮やかな赤色に。縦半分に切って盛り付け、ビーツのピクルスを添えて前菜に。
ビーツと一緒に漬けた卵
赤ゆで卵の作り方:1)皮をむいて茹でたビーツをピクルス液(白ワイン、塩、酢)に漬ける。好みの固さに茹で卵を作り、1)の中に漬け込む。半日ほど漬けておくときれいな赤色に。「ビーツは茹でてからピクルス液に漬けると、土臭さや固さがなくなり、食べやすくなります」
赤い柚子胡椒の作り方
赤い柚子胡椒の作り方:1)柚子(4〜5個)の皮を剥いてあらく刻み、1個分の果汁をしぼる。2)1)に唐辛子(2本)、塩(大さじ3〜5)を加え、フードプロセッサーにかける。殺菌消毒した保存ビンに詰め、冷蔵庫で保存する。
伊藤さんが一年中使う赤唐辛子
一年中使う赤唐辛子は、苗から育てて収穫したもので乾燥させたものをストック。
鶏肉と白菜を薄めのお出汁で炊いたものに赤い柚子胡椒
鶏肉と白菜を薄めのお出汁で炊いたものに赤い柚子胡椒を添えて。お出汁は昆布と鰹節でとった出汁に酒、醤油、砂糖、みりん、塩を加えたもの。茶色くならないようにさっと炊き、薄めに仕上げます。
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食べたいものが思いつかない日は、遊び心のある色鮮やかなお料理やドリンクで気持ちをリフレッシュさせるという伊藤さん。

「色鮮やかなお料理で目から食欲を刺激し、気付けば完食。心も身体も元気がみなぎってきますよ。夏の定番はビーツを使った真っ赤なお料理。ビーツはボルシチなどロシア料理で使う印象が強いですが、うちでは普段からよく使う野菜。毎年種から育てて収穫しています。」

「生でも茹でても美味しく、真っ赤な色が楽しめるので、サラダやピクルス、スープなどにアレンジしています。お料理に赤い彩りを添えたいときによく使うのが赤柚子胡椒。柚子胡椒は青唐辛子と青柚子を使って青い柚子胡椒も作りますが、彩り添えには赤い方が活躍。白いお料理に沿えるとアクセントになってテーブルが華やかに」


甘酸っぱい赤紫蘇ジュースと杏ジャムで元気を注入


紫蘇ジュース氷
氷を入れたグラスに注ぎ、水や炭酸水などで割ると鮮やかな赤い色が映えます。赤紫蘇のさわやかな風味とほどよい酢の酸味が暑い日にぴったり。
紫蘇ジュース原液
紫蘇ジュースの作り方:1.水(1.8ℓ)を鍋に入れて沸騰させ、よく洗った赤紫蘇1束を入れて葉が赤色が緑色に変わったら引きあげる。2.1の中に砂糖(900g)、酢(300cc)を加える。綺麗な紫蘇ジュースの赤色になったら、消毒した密閉容器に移して、冷蔵庫で保存。
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伊藤さんが春から晩夏にかけて頻繁に作っているのが赤紫蘇ジュース。赤紫蘇の爽やかな香りとさっぱりとした酸味で食欲増進効果が期待できます。

「赤紫蘇ジュースは大好きで頻繁に作っています。紫蘇の煮汁お酢を入れるとパッと綺麗な赤色になり、化学実験みたいで楽しいの。今年は、庭の杏が豊作で、初夏に収穫してジャムにしておきました。冷蔵庫で保存し、少しずついただいています」

甘酸っぱさがたまらない杏ジャム
甘酸っぱさがたまらない杏ジャム。20代の頃、ホームステイした英国のおばあさんから教えてもらったレシピです。
杏ジャムの作り方
杏ジャムの作り方:1.杏(100g)は洗って水を切る。2つに割って種を取り、鍋に入れ、グラニュー糖(35g)を振り入れた3〜4時間おく。2.1を中火にかけ、アクをとりながら煮込む。杏の実が崩れてトロっとしてきたら火を止め、冷ます。
瓶煮沸で長期保存
杏ジャムの保存方法:手作りした杏ジャムは、煮沸したビンに入れ、脱気してふたをする。さらにビンを鍋で煮沸しておくと傷みにくくなり、より長く保存できる。
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取材・文/坂口みずき

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この記事の
プレミアムメンバー

伊藤千桃

1950年ジャカルタ生まれ。インドネシアと日本のダブル。「桃花源」の屋号で、神奈川県・葉山の自宅をベースにお弁当ケータリング、バーベキューサービス、民泊などを行う。著書に『千桃流・暮らしの知恵』(主婦の友社)が。
Instagram:@toukagenhayama

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