【松永加奈のフランス便り56】パリの恋愛事情。70歳でマッチングアプリデビューも?!

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在パリ6年のクウネル・サロンメンバー松永加奈さんのフランスレポート。今回のテーマは「愛に生きる」フランス人について。クウネルのフランスマダム取材でも、どんなときも、いくつになっても「アムール(愛)」を楽しんでいるその姿に刺激を大いに受けますね。国民性ともいえる、愛を謳歌する人生について紹介していただきます。

感情表現が豊か(ストレート)なフランス人。笑ったり泣いたり怒ったり、街の中はいつも賑やかです。そして、それは愛情表現も同じ。「Amour(アムール=愛)」の国と呼ばれているフランスは、常にアムールにアグレッシブ。道の真ん中で、スーパーの棚の前で、いきなり激しいラブシーンが繰り広げられることは日常茶飯事。「耐え忍ぶ愛」なんてどこ吹く風、老若男女問わず、愛に向けて猪突猛進です。

フランス人 愛
もともと人との距離感が近いフランス。そういえば頬を合わせて「チュッ」と音を鳴らすビズも日本人からしてみればかなりの濃密さ。
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華やかさ、美しさ、芳醇な香りのバラが大好きなフランス人。情熱的な雰囲気は、バレンタインや誕生日に恋人へ贈る花として好まれるのも納得。
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マッチングサイトだけでなく、いわゆる「ナンパ」もまだまだ現役。そこに年齢差など全然気にする様子がないことにもびっくりします。
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グッズのモチーフにも使われる「AMOUR」。グラスに描かれたり、カゴバッグに刺繍されたり。愛する人のことは「MON AMOUR(モナムール)」。
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フランスで暮らしていると、周りの人々の離婚や再婚、カップルのくっ付いたり離れたりの多さに驚きます。同性または異性のPACS(事実婚)が認められていることもあり「今は●人目のパートナーとPACSしている」という話もよくあること。もちろん、長年連れ添った相手とお別れしたら、その思い出を胸に生きて行く…という人もいますが、それは重要なことではない様子。例えば、夫を亡くした友人の義母。とても落ち込んでいたので、家族みんなで励まし、盛り立てていましたが、彼女にとっては家族の愛情だけでは全然足りず、70歳にして自らマッチングサイトデビュー。そこで5つ年上の男性と出会い、恋に落ち、パリとベルギーでの遠距離恋愛を成就させ、見る見るうちに元気を取り戻したんだとか。友人曰く「ママは根っからのフランス女だからねえ」とのこと。パートナーがあってこそ輝く自分、そこに年齢や国境は関係ない…うーん、やるなあ、フランス女!

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橋には恋人同士が愛を誓い合う南京錠がびっしり。ちなみにこれ、重すぎて危険なので、定期的に撤去されいます。
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フランス大統領の妻は、24歳年上の恩師というのは有名な話。夫人は元夫と離婚した翌年、当時54歳でマクロンと再婚。今から14年前のことです。
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歩いていると、突然目の前のカップルが立ち止まって熱いラブシーンを繰り広げることはよくあります。本当にいきなりなので何度ぶつかったことか。
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モンマルトルにある観光名所「ジュテームの壁」。世界中の恋人たちの聖地になればと、アーティストが製作したもの。
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壁一面に300以上の言語で愛の言葉が綴られています。日本語の「愛しています」(Je t’aime)も見えますね。
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婚姻関係があったりパートナーがいながら、他に好きな人ができた場合は「新しい恋を見つけてしまった」と表現するフランス人。言われた方はたまったもんじゃありませんが、そうなったら悔しさをエネルギーに変えて、自分も恋人探し。恋愛なんてもうコリゴリ…と、とりあえず仕事に打ち込む人も。いずれにせよ男女問わず「いつまでも1人寂しくいるとは思わないで」とばかりに、次のステージへ切り替えるところが「逞しいなあ」と思います(もちろんそういう人ばかりではありませんが)。

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パリの恋人たちはどこにいてもフリースタイル。キスしたり、抱き合ったり、膝にのったり、抱き合いながら歩いたり、ときにはこんなふうにも。
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パリがロマンチックだったり華やかに見えるのは、きっと人々の愛情表現が豊かなことも一つの理由かも。街がピンクや赤のイメージ、ありませんか?
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ちなみに出会いの場はさまざま。最近は先のマダムのような「マッチングサイト」の利用が多いそうで、この手のサイトは4~5年前に急激に増え、当時、メトロ構内にも特大の広告がよく出ていました。ひと昔前は街やバー、公園などで熱心に声がけしたり、友達に紹介してもらっていた若者たちも、今ではサイトからリアルな恋愛に発展するパターンが珍しくないようです。

フランスでも「自分から強く押せないんだ」という内気なタイプの人は当然いて、全員が恋愛に関してアグレッシブというわけではありません。生涯パートナーは1人だけというカップルもいます。ただ、何はなくとも個人主義で自己主張するのが重要なこの国。溢れ出る情熱にフタなどせず、自分の思いのままに人々は突っ走っています。


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