【GWは読書旅行】吉本ばななさんや湯山玲子さんなどのおすすめ!異国が舞台の小説&エッセイセレクション

これまでクウネルでは、著名人や本を愛する方々に「人生に影響を与えた」「最近読んだ中でもっとも心に残っている」などの〝かけがえのない本〟をうかがってきました。

ご紹介いただいた数多くの素敵な本の中から、読めばその国の空気をありありと感じられる、異国が舞台となっている4作品をピックアップ。選んでくださったのは、作家の吉本ばななさん、著述家の湯山玲子さんなど。元気をもらえる小説から深く心に染みていくようなエッセイまで、ゴールデンウィークのお供にぜひ。

1_吉本ばななさんselect
北京駐在員マダムのマイペースな生き方に元気をもらう

『パッキパキ北京』綿矢りさ 著

元ホステスでブランドものに目がない主人公菖蒲(アヤメ)。慎重な夫とは正反対に、北京の街に物怖じせずに繰り出していきます。そのフラットな眼で見た、新鮮な北京観察も読みどころ。集英社

小説家・吉本ばななさんが、「読者になじみやすい本を」と選んでくださった小説『パッキパキ北京』。

単身赴任中の夫に請われ、コロナ禍の北京で暮らすことになった主人公のお話。超ポジティブで我が道を行くその生き方に、吉本さんは「元気が出た」と話します。「駐在員マダム主宰の日本人の飲み会でも、行ったことのない故宮の印象を、ガイドブックの知識だけで喋って。周りに合わせているようで合わせていない。これぐらいの強さがないと、今のような大変な時代は生きていけないのでは」

2_湯山玲子さんselect
堕落してイビサにたどり着いた主人公の生命力に強さを感じる

『イビサ』村上龍 著

マチコはパリ、モナコ、モロッコへと快楽に浸りながら旅を続け、やがてイビサへたどり着く。バブルが弾けた時代とリンクした破滅的なストーリー。角川書店

著述家・湯山玲子さんが人生の「きっかけ」作りをしてくれた本として紹介してくださったのが、湯山さんが30代で魅了されたという村上龍の小説『イビサ』。

「ドラッグ、セックスの話なんだけど、溺れて堕落する話ではなくて、世界を自分で塗り替えていくような、生命力の強さを感じる作品。主人公は地獄のような状態なんですが、他者との関わりを恐れず、自分でジャッジして選び取っていく」

3_森岡督行さんselect
欧州を一人旅する著者から生き方のヒントをもらう

『ボクの音楽武者修行』小澤征爾 著

音楽の生まれた地、そこに住む人をじかに知りたいと、24歳で単身ヨーロッパへ。世界的指揮者バーンスタインとの出会いも語った自伝的エッセイ。新潮文庫

生き方のヒントを得た一冊として、森岡書店・店主の森岡督行さんが挙げたのが小澤征爾のエッセイ『ボクの音楽武者修行』。指揮者の小澤征爾さんが20代のときに、計画性もなく、お金もなく、スクーターでヨーロッパを巡った話です。

「何もないところからでも挑戦していくことの素晴らしさ、人とのかけがえのない出会いが人生を豊かにすると教えられました。自分もこんな当てのない旅をしてみたい、と思い続けています」

4_松永加奈さんselect
トルコで生活する著者の逞しい姿に前向きな気持ちになれる

『トルコで私も考えた』高橋由佳利 著(集英社)

1992年より連載スタート。トルコへの移住から結婚、子育て、帰国など、マチュア世代の著者のライフスタイルの変化が描かれるのも長期連載ならでは。30年でトルコが変っていくさまも必見。現在は『月刊 オフィスユー』(集英社クリエイティブ)にて連載中。

大の漫画好きというライターの松永加奈さん。マチュア世代におすすめのエッセイ漫画『トルコで私も考えた』は、著者の逞しい姿にいつ読んでも前向きな気持ちになれる作品だとか。

「この作品に出合ったときは、海外留学にも興味がない学生だった私。でも生き生きと描かれる「外国暮らしのリアル」が本当に面白く、長年愛読しながらずいぶん大人になったある日、夫のソウル転勤が決定。「いざゆかん!」とこの作品を全巻抱え、その後パリにも携えて行きました」

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