〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーのKayoさんこと重盛佳世さん。38歳で会社を辞め、直感に導かれるままイギリス留学を決めました。その後、英会話の本が大ヒットという人生の大転換をアラフォーで経験しました。
今回はスペインにいる親友との交流について。年下ながら教わることが多い、という親友から言われた素敵な言葉とは?
イギリス留学中に出会った親友は22歳年下
私には22歳年下の親友がいます。名前はサンドラ。スペインで医師をしており、来月には31歳の誕生日を迎えます。
出会いは14年前、イギリスのホストファミリー宅で隣同士の部屋でした。当時彼女は16歳で語学学校のサマースクールに通っていました。私たちは会ったその日より意気投合。その夏以降も、私がイギリスに滞在中はよくスペインを訪ね、彼女もロンドンへと交流を深めていました。
それはある夏の出来事です。私はスペインの彼女を訪ね、サンドラの実家に泊まっていました。お母さんが経営する海の家を手伝ったり、共通の趣味でもある遺跡巡りや美術館を訪ねたりの、楽しい時間はあっという間に過ぎ……。最終日、ロンドンへ戻る飛行機は13:30発。
地元の空港だからギリギリでも大丈夫!と、12時半に空港到着。そこで、私はなぜか余裕があると思い込み、サンドラをカフェに誘いました。何度も「大丈夫?」と尋ねられたのに、私は「大丈夫、大丈夫!」と余裕の態度。そして13時くらいに笑顔でお別れしました。
飛行機に乗り遅れた!
ところがチェックインで問題発生!なんと、飛行機の搭乗時間はとうに過ぎていたのです。万事休す!警備スタッフとやり取りをするうちにようやく自分が時間を間違えていたことに気づき血の気が引いていきました。
次の飛行機は、早くて翌日の早朝便。普通ならここでサンドラにSOSをするところですが、彼女はこの後、彼氏の親族との食事があると言っていたので、頼れません。「どうしよう~、このまま空港で時間をつぶすか!いや、スペインの空港で夜を明かすのは危険だ……」
やむなくSOS
その後もいろいろ考えましたが、半分パニック状態で体調も悪くなるばかり。どうすることもできずに(迷惑をかけるのは重々承知で)サンドラに連絡。すると直ぐに引き返してきてくれました。
彼女を見るなり安心したのか、いい年をして空港で号泣。自分の勘違いで彼女に迷惑をかけていることに申し訳なく、何度も何度も謝りました。すると彼女は私の両手を取って微笑みながら、こういったのです。
親友から自然にでてきた言葉とは?
「Kayo、これはきっと神様が私たちにくれたプレゼントだよ。」と。
「何がプレゼント?」と聞き返すと、
「明日の朝の飛行機なら、あと半日分、一緒に居られるじゃん!」。
その天使とも思えるあたたかい言葉に私は感動して、また号泣。サンドラは食事会を翌日に延期してくれたのでした。
気持ちを切り替え、その日は行きそびれていた遺跡の街へ行くことに。道中、彼女のお母さんから電話がかかってきて事情を話すと、「あら、そうだったの。じゃぁ、まだKayoと一緒に居られるわね。これは神様からの追加のプレゼントね!」と娘と同じ答えに感激。私は再び号泣したのでした。
もしも逆の立場だったら?
あの時の失態を思い出すと、今でも情けなくて自分が嫌になります。しかし、もし逆の立場だったら、自分はこんな振る舞いができたであろうか?こんな言葉が自然にでてきたでしょうか…?
サンドラとの出会いは私にとって奇跡!かなり年下なのに、学ぶことがたくさんあり、同時に自分を恥じたり、気付かされることが多々。私は彼女をとても尊敬し、こんな素敵な人に出会えたことに感謝しているのであります。
ちなみに、心配していた翌日の食事会も無事に終わり、その後ふたりはめでたく結婚。類は友を呼ぶとはよく言ったもので、サンドラの旦那様がこれまためちゃくちゃいい人で、結婚後は夫婦で仲良くさせてもらっています。
遠く離れていても…
出会いから14年、今でも私たちの関係は変わらず続いています。サンドラ夫妻は東京オリンピックに合わせての訪日を計画していましたが、それも叶わず、コロナ禍で医療従事者として必死に頑張っていました。そんなふたりに恥じぬよう、私も日々精進しているのであります。
【Kayo’s message 】
Like father, like son.
この親にしてこの子あり
「親子は似たもの」という表現で英語にもあります。今回の場合は、「Like mother, like daughter.」ですけどね。