料理上手な人、センスのよい人、インテリアが素敵な人……。そんなクウネル世代は器使いもとびきりおしゃれです。今回は鞄のデザインと制作をする江面旨美さんの食器棚と、特別に思い入れのある器を見せてもらいました。
家族3人の器を収容するふたつの食器棚
革を中心とした鞄を制作している江面旨美さん。
自身でペンキを用いて塗ったという真っ白いインテリアが印象的です。
そんな江面さんのお宅のキッチンを拝見させてもらいました。
目に留まったのは、キッチンの正面に当たる場所にある腰高ほどの小さめの食器棚。ガラス扉になっていて、特長的なのは右側の細長いスペースです。「平ざるやお盆などを縦にして入れるのにぴったりなんです。インターネットで見つけた古道具ですが、最初から白く塗ることを想定して買いました」
ほかにも染付の器や漆器類を収納。小ぶりな食器棚ではありますが、収納力はなかなかのようです。
そして、もうひとつの食器棚は冷蔵庫の横に配置されたもの。こちらは江面さんの背丈よりも高く、かなり大きな食器棚です。
「これは結婚した当初から使っているのでずいぶん長いですね。和食器から洋食器、グラス類など、たくさん入っています」
器を選ぶときは直感で。器もまた、一期一会だから。
リビングやダイニングが白で統一されている一方、器は白以外にもいろいろな質感や色のものがあるよう。器を選ぶときの基準は何でしょうか。
「洋食器は白ベースのものが多いですが、和食器は無地でざらっとした肌合いのもの、つるりとした感触の磁器、それに漆などがありますね。こういった異素材のものを組み合わせることで食卓に並べたときのバランスが取れると思うので、それを意識して選ぶようにしています」
とはいえ、器を選ぶときは直観で!と江面さん。
「これいいな!と思ったときは用途を深く考えすぎないで買い求めているかもしれません。古いものや作家ものはとくに、量産されているものとは違って一期一会ですものね」
料理や食事の時間が、制作と家時間の切り替えのスイッチに
30年以上前に自宅をリフォームし、以来、制作を続けている江面さん。
仕事場兼自宅のため、料理をする時間がスイッチになっているのだそう。
「あわてて夕食を作ることも多いのですが、さて、料理をするぞ!というのが仕事と家庭のいい切り替えになっているように思います」
「昼食もわりとしっかり食べるんですよ。ごはんが中心ですが、週に1~2回はおそばをゆでて、前の晩の残り物や納豆、ぬか漬けなどを合わせます。いつものお気に入りの器で食べると、料理をするのも食べるのも楽しみになります」
江面旨美/えづらよしみ
「umamibags」の屋号で革を主な材料として鞄のデザインと制作を手がける。現在は年に2回ほど、個展を行っている。
2022年度は4月23~29日(火曜休)に愛知県・蒲郡市の「SUSCON」にて開催予定。
https://umamibags.net/
取材・文/結城 歩
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