バッグ作家・江面旨美さんの食器棚。白をベースに、漆や黒など異素材をミックスし、バランスをとる。

江面旨美 食器棚

料理上手な人、センスのよい人、インテリアが素敵な人……。そんなクウネル世代は器使いもとびきりおしゃれです。今回は鞄のデザインと制作をする江面旨美さんの食器棚と、特別に思い入れのある器を見せてもらいました。

家族3人の器を収容するふたつの食器棚

革を中心とした鞄を制作している江面旨美さん。
自身でペンキを用いて塗ったという真っ白いインテリアが印象的です。
そんな江面さんのお宅のキッチンを拝見させてもらいました。

目に留まったのは、キッチンの正面に当たる場所にある腰高ほどの小さめの食器棚。ガラス扉になっていて、特長的なのは右側の細長いスペースです。「平ざるやお盆などを縦にして入れるのにぴったりなんです。インターネットで見つけた古道具ですが、最初から白く塗ることを想定して買いました」

江面旨美 食器棚
15年ほど前に買った食器棚。染付の大皿や漆などが入っている。
江面旨美 食器棚
たっぷり収納できる大きな食器棚。夫と娘の3人暮らしの江面さん。銘々皿は人数プラス1~2枚多く買うことが多いそう。
江面旨美 食器棚
カップを引っかけているレールは自分で取り付けたそう。手前に引き出せて取り出しやすく便利。
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ほかにも染付の器や漆器類を収納。小ぶりな食器棚ではありますが、収納力はなかなかのようです。

そして、もうひとつの食器棚は冷蔵庫の横に配置されたもの。こちらは江面さんの背丈よりも高く、かなり大きな食器棚です。
「これは結婚した当初から使っているのでずいぶん長いですね。和食器から洋食器、グラス類など、たくさん入っています」

器を選ぶときは直感で。器もまた、一期一会だから。

リビングやダイニングが白で統一されている一方、器は白以外にもいろいろな質感や色のものがあるよう。器を選ぶときの基準は何でしょうか。
「洋食器は白ベースのものが多いですが、和食器は無地でざらっとした肌合いのもの、つるりとした感触の磁器、それに漆などがありますね。こういった異素材のものを組み合わせることで食卓に並べたときのバランスが取れると思うので、それを意識して選ぶようにしています」

江面旨美 食器
染付や印判の器は骨董市などで少しずつ集めたもの。片口の鉢は吉田明さん作。
江面旨美 食器棚
白黒のドットのカップがかわいい。「遊び心で取り入れたものなんですが、焼酎のお湯割りにぴったりなんです」。井畑勝江さんによるもの。
江面旨美 食器
青い皿は「アラビア」のアンティーク。白い皿は安藤雅信さん作。
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とはいえ、器を選ぶときは直観で!と江面さん。
「これいいな!と思ったときは用途を深く考えすぎないで買い求めているかもしれません。古いものや作家ものはとくに、量産されているものとは違って一期一会ですものね」

料理や食事の時間が、制作と家時間の切り替えのスイッチに

30年以上前に自宅をリフォームし、以来、制作を続けている江面さん。
仕事場兼自宅のため、料理をする時間がスイッチになっているのだそう。
「あわてて夕食を作ることも多いのですが、さて、料理をするぞ!というのが仕事と家庭のいい切り替えになっているように思います」

「昼食もわりとしっかり食べるんですよ。ごはんが中心ですが、週に1~2回はおそばをゆでて、前の晩の残り物や納豆、ぬか漬けなどを合わせます。いつものお気に入りの器で食べると、料理をするのも食べるのも楽しみになります」

江面旨美 食器
漆のお盆と萬古焼の急須は高橋みどりさんセレクトの器展に訪れた際に購入。茶たくは赤木明登さん、茶碗は骨董品。
江面旨美 食器棚
キッチンの目隠しにもなっているカウンターのダイニング側。上の丸い鉢は黒田泰蔵さんの白磁。「縁がとても細いので普段使いにするのは少し不安で。目で見て楽しんでいます」
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取材・文/結城 歩


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