料理上手で知られる島田順子さん、どんな食材を選び、日常の料理やご飯をどう楽しんでいるのでしょう。パリ近郊の美しい週末の家で、その腕前を見せていただきました。
パリから車で約1時間。フォンテーヌブローの森にほど近いブーロンマーロット村に、島田順子さんが愛してやまない週末の家があります。仕事場のあるパリとはまったく違った、ゆっくりとした時間の流れるところ。3000㎡の敷地に建つ18世紀に建てられたこの自宅が、島田さんが心からくつろげる場所なのです。
この家を買って30年弱。近所には長い付き合いの、かけがえのない友達も住んでいます。多忙なときは外食も多いという島田さん。でもここではお得意の手料理に腕をふるうことが多いのです。「私が普段作るのはどれも手間のかからないシンプルな家庭料理です。簡単料理のポイントはね、新鮮な季節のものを使うこと。これに尽きますね。
素材がよければ、手間をかけなくてもお料理はおいしいのよ」都心を離れればすぐに、豊かな農村地帯が広がるフランス。肉はあまり口にせず、野菜を使った料理が好きな島田さんが愛するフレッシュな食材が安く手に入ります。自然食品を扱うお気に入りのスーパーもすぐそば。
さて、ご飯の買い物に、まずは街道沿いの、スタンドで売っている八百屋さんへ向かいます。「野菜とフルーツが豊富に揃う夏の間だけ開業しているお店なの。旬のものしか売らない、っていう気持ちがいいでしょ」野菜をたっぷり買った後は、フォンテーヌブローの顔見知りの鮮魚店やチーズ店を回ります。納得がいくものを置いている店のリストは島田さんの頭の中に整理されていて、買い物に迷いはありません。
島田順子/しまだじゅんこ
デザイナー、1941年生まれ。1981年にパリで初のコレクションを発表。以来日本とフランスを行き来して、多くの支持を得る。2012年フランス芸術文化勲章シュバリエを受章。最新刊に『島田順子おしゃれライフスタイル』、著書に『島田順子スタイル』(ともに小社刊)など。お気に入りの八百屋さんでたっぷりお買い物。https://www.instagram.com/junko_shimada_paris/
『ku:nel』2016年11月号掲載
写真 松永学/取材 松永麻衣子/文 船山直子
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