パーティーシーズンに知っておきたいレシピ!『賛否両論』店主・笠原将弘さんの絶対失敗しない和風ローストビーフ
東京・恵比寿の日本料理店『賛否両論』店主・笠原将弘さんの新刊『笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい』(株式会社マガジンハウス)。YouTubeチャンネルの登録者数121万人、これまでの著書累計は160万部を突破する大人気料理人の笠原さんが、昔から親しまれてきたおなじみのおそうざいを、よりおいしく仕上げるための技をたっぷりと伝授。現代の日本人に伝えたい「おそうざい」58品を厳選して紹介する、家庭和食レシピの集大成です。
その中からおすすめレシピを抜粋し、二回にわたってお届けします。年末年始のメニューにもぜひ取り入れてみてくださいね。
はじめに
50歳を過ぎて食べる物の好みがだいぶ変わってきた。
少し前まではイタリアンやフレンチ、がっつり肉料理が大好きだったし、いろいろな海外の料理も頻繁に食べに行った。
アバンギャルドな盛りつけや、奇抜な食材の組み合わせも好きで自分でも店の料理に取り入れていた。
最近はというと、昔からあるような日本の普通のおそうざい、シンプルな煮物や野菜のお浸し、あえ物などが大好きだ。
各地に伝わる郷土料理にも強く惹かれる。
とにかくシンプルで素材の味が感じられ、旬の物を食べるような料理ばかりに引きつけられるようになった。
外食の回数も本当に減った。
なぜと聞かれればやはり「おいしくて、楽しくて、かっこいいから」。
これにつきると思う。
笠原将弘さん PROFILE>>東京・恵比寿にある日本料理店『賛否両論』店主。雑誌やテレビ、全国のイベントなど多方面で幅広く活躍し、和食の魅力を伝えている。プロのコツを楽しく解説するYouTube(チャンネル登録者は121万人/2025年12月現在)や家庭で作りやすいレシピが満載の著書も大好評。
昔から日本で作られてきた普通のおそうざい。
ここには先人の知恵や工夫、旬の物を上手に取り入れる技がふんだんに詰め込まれている。
本来おそうざいとは、家庭で調理される手作りの日常のおかずを指すらしい。
そういう意味でもおそうざいを上手に作って毎日の家庭の食事を楽しむのは
最高にかっこよくてぜいたくな生活スタイルではないだろうか?
あなたもおしゃれでかっこいいおそうざい生活、始めてみませんか?
国民的おそうざいおじさん
「賛否両論」笠原将弘
絶対失敗しない 和風ローストビーフ
「極上の煮汁でソースを作る。効率的なうえ、うまい」
ハレの日に食べたい肉のおそうざい
祝い事や人が集まる日は、
豪華だけどシンプルに作れるこんな料理を。
牛の塊肉は、これ以上ないほどのごちそう。
だから、ローストビーフを作ろう。
まずは肉の全面に焼き色をつけ、玉ねぎを入れた煮汁の中で煮て、肉の中心までじわじわ火を入れる。
こうすればパサつかず、切ったときに美しいロゼ色になる。
材 料(作りやすい分量)
牛いちぼ(ブロック)…500g
(ランプ、もも肉のブロックでもよい)
塩…適量
玉ねぎ…1/2個
サラダ油…大さじ1
A)
水…3カップ
しょうゆ、酒、みりん…各1/2カップ
砂糖…大さじ1
昆布…5g(7cm角)
B)
片栗粉、水…各大さじ1/2
クレソン…1束
粒マスタード…適量
使用する道具:鍋、フライパン
調理時間:20分(味をなじませる、冷ますなどの時間は除く)
日持ち:約4日
作り方
①牛肉は全面をフォークで刺し、全面に塩をまぶしてラップで包み、冷蔵庫に1時間以上おく。玉ねぎは薄切りにする。
②フライパンに油を中火で熱し、①の牛肉の全面に焼き色をつける。
③ 鍋にA、玉ねぎ、昆布を入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせる。② を入れて弱火にし、4分ほど煮る(途中で一度上下を返す)。火を止めてペーパータオルをかぶせ、ふたをしてそのまま冷めるまでおく。
④鍋に煮汁適量(1/2カップくらい)を取り分け、中火にかける。よく混ぜ合わせたBの水溶き片栗粉を回し入れてとろみをつける。
⑤③の牛肉の汁けをきって食べやすく切り分ける。玉ねぎとともに器に盛り、④をかけてクレソン、粒マスタードを添える。
◎覚え書き
残った煮汁で豆腐やこんにゃくを煮てもおいしい。
家庭和食レシピの決定版、大好評発売中!
『笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい』
いつもの家庭料理がぐっとおいしくなるひと工夫を、大人気和食店の店主が惜しみなく紹介した一冊。料理好きな人はもちろん、自炊が得意ではない人も「作ってみたい!」と思える、わくわくする調理のコツが満載です。毎日のごはんづくりをはじめ、お弁当や作り置き、おせちまで幅広く活躍する全58品には、私たちの体に寄り添う、やさしくて大切な味が勢ぞろい。
『笠原将弘のまた食べたくなるおそうざい』1,760円(株式会社マガジンハウス)
撮影/竹内章雄