簡単おかずの“イマイチ”から脱却できる名レシピ。樋口直哉さんの「ピーマンの肉詰め」と「きんぴらごぼう」

作家・料理家として活躍している樋口直哉さんの新刊『読むだけで料理がうまくなる本』が好評発売中! 作り方だけではなく、工程の目的が丁寧に解説されており、まるで料理教室に通ったような充実感が得られると話題です。今、改めて学び直したい定番レシピが揃った本書から、今回は特別に「ピーマンの肉詰め」と「きんぴらごぼう」のレシピを抜粋してご紹介します。
「豚のしょうが焼き」と「ポテトサラダ」のレシピからの続きです。
人気料理家・樋口直哉さん新刊 “料理がうまくなる”レシピ本

『読むだけで料理がうまくなる本』(オレンジページ)
作家・料理家として活躍する樋口直哉さんによる新刊『読むだけで料理がうまくなる本』が好評発売中!
肉じゃがやハンバーグなどの定番おかずをはじめ、さばの味噌煮やピーマンの肉詰めといった手軽な逸品、ゴーヤーチャンプルなど季節料理まで、幅広く収録された充実のレシピ本です。まさに家庭料理の教科書。

樋口直哉さん PROFILE>>料理に関する執筆、指導やテレビ出演、食品開発など幅広く活躍中。著書に『新しい料理の教科書』(マガジンハウス社)、『樋口直哉のあたらしいソース』(グラフィック社)などがある。
本書の何よりの魅力は、「なぜこの工程をするのか?」という理由が、豊富なプロセス写真とともに丁寧に解説されていること。工程の意味や目的が自然と腑に落ちて、料理がもっとおいしく、もっと楽しくなる。そんな学びと発見に満ちています。
まさに、“読むだけで”プロに手取り足取り教わっているような感覚に。いつもの定番料理がワンランクアップするヒントが詰まっていて、自然と料理の腕が上がっていく一冊です。
今回は〈クウネル・サロン〉の読者のために、本書の中から一部レシピを特別に紹介します。
※これより下の記事は『読むだけで料理がうまくなる本』(オレンジページ)からの抜粋です。
ピーマンの肉詰めのレシピ

◎おいしく仕上げるコツ
【へたも種も取らず、穴をあける】
ピーマンの肉詰めと聞いて思い浮かぶのが、「肉だねがはがれる問題」。これを解決するのが、いつもは捨ててしまう「種」です。
通常、へたと種を取ったところに肉だねを詰めますが、今回はあえて種を残します。種の下にも上にも詰めることで肉だねが種にからんだような状態になり、焼いてもはがれにくくなるのです。
また、「粉をまぶす」というのもよく知られた手法かと思いますが、さらにここでもうひと手間。つま楊枝で数カ所穴をあけましょう。肉詰めは加熱すると、ピーマンと肉だねの間に水分が生まれます。この水分がはがれる原因のひとつとなるため、穴をあけて蒸気を逃がし、より接着力を強くします。
焼くときは、熱湯を加えて高温で蒸し焼きにし、一気に火を通すことでピーマンと肉がくっつきます。この加熱方法ならしっかり火が通り、種も気にならないほど柔らかく仕上がります。
◎材料(2〜3人分)
ピーマン…7~8個
〈肉だね〉
合いびき肉…250g
玉ねぎのみじん切り…1/2個分(約100g)
しょうゆ…大さじ1
砂糖、ごま油…各小さじ1
〈甘辛だれ〉
砂糖…大さじ1
しょうゆ、みりん、酒…各大さじ2
小麦粉
◎作り方
きんぴらごぼうのレシピ

◎おいしく仕上げるコツ
【ごぼうはピーラーで削り、野菜の水分で蒸す】
きんぴらの主役、ごぼうとにんじんは、皮をむかずに使います。皮にはうま味成分が多く含まれているため、洗うときはスポンジを使うのがおすすめ。スポンジなら皮はむけずに、汚れだけが取れます。ごぼうの香りやおいしさは水にさらすと薄まるので、水にもさらさずに使いましょう。
ささがきのイメージが強いきんぴらですが、もっと柔らかく仕上げたいならピーラーで削ってからせん切りに。ごぼうの繊維は縦に走っているので、斜めに切れば繊維を断つことができるのです。このとき、ピーラーで削れなかった部分は包丁で薄切りにしてからせん切りに。形や厚みは多少不ぞろいなほうが、食感のアクセントにもなります。
火をつけるタイミングもポイント。冷たいフライパンからスタートし、野菜の持つ水分で蒸すように炒めることで、しんなりと柔らかくなり、調味料がしっかりと食材にしみ込みます。
◎材料(作りやすい分量)
ごぼう…1本(約200g)
にんじん…1/2本(約80g)
赤唐辛子の輪切り…小さじ1/4
白いりごま…適宜
ごま油、砂糖、酒、しょうゆ
◎作り方
【下ごしらえ】ごぼうとにんじんはスポンジでよく洗い、水けを拭く。
好評発売中!定番おかずの最適解が詰まった一冊

樋口直哉/読むだけで料理がうまくなる本
親切すぎる解説で「動画を見るよりわかりやすい!」と話題のレシピ本。肉じゃがやハンバーグなど定番おかずの作り方を、注目の作家・料理家の樋口直哉さんが豊富なプロセス写真とともに丁寧に解説。料理の「なぜ?」を知ることで、読むだけで教室に通ったようなレベルアップが期待できる一冊です。「白めしをおいしく炊こう」「当たり前の卵料理こそ極めたい」などのコラムも必読。
撮影/福尾美雪