柔らかな日差しに満ちる、コクーンのような安らぎの空間。パリ在住ギャラリーオーナーのくつろげる部屋(前編)

ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回はギャラリーオーナー ・ミランダ・サルトさんのお部屋です。

後編はこちら

間取り

夫、長男と3人暮らし。「急に体が大きくなった息子のために子供部屋のレイアウトを変える必要が出てきました。ベッドが小さくなったのでロフトを作ろうかと考えています」

光と影が、インテリアに息づくようなニュアンスを。

大理石のローテーブルはスペイン人デザイナーの作品でコンランショップで購入。3つのライトがひとつになったインダストリアルなスタンドタイプの照明はクリニャンクールの蚤の市で見つけたもの。

ギャラリーオーナーのミランダ・サルトさんが暮らすアパルトマンは、パリのシンボルでもあるエッフェル塔を設計した、ギュスターヴ・エッフェルによってつくられたアトリエ建築の家です。

「両サイドに大きな窓があるのはアトリエ建築の大きな特徴です。天井高も4mで、一日中柔らかな光が差し込むので、明るくて開放感のある家だと思います」

機能性を重視した使いやすいL字型のキッチン。調味料やツールを目の高さにずらりと並べているので、とにかく使いやすい。料理やお菓子づくりが趣味のミランダさんが、家の中で一番長い時間を過ごす場所がここ。

インダストリアルなデザインに惹かれるミランダさんが選んだポップアップトースター。カッティングボードも大きさ違いにたくさん揃えている。ものが多くとも整然と並べることで、こんなにすっきり。

2004年に購入した際、ここは2部屋のアパルトマンでした。基本の柱だけを残し、壁をすべて取り除いて、ひとつの広い空間にリノベーションしたのです。

「レイアウトは夫が担当。インテリアのデコレーションやドアノブなど細かいディテールを決めるのは私と分業し、二人三脚で約3ヶ月で工事を終えました」

パリ10区の中心地なので、表通りには人気のカフェやレストランがあり、とても賑やかな地区といえますが。

「一歩中にはいると都会の喧騒を感じない、コクーンのように守られた部屋です」

PROFILE

ミランダ・サルト/Miranda SALT

オーストラリア・メルボルン生まれ。大学卒業後、すぐに渡仏。広告代理店に勤務後、2018年に写真専門ギャラリーをオープン。 Instagram:@galeriemiranda

『クウネル』2024年7月号掲載 写真/篠 あゆみ、コーディネート/鈴木ひろこ、文/今井 恵

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『クウネル』NO.127掲載

くつろげる部屋が好き!

  • 発売日 : 2024年5月20日
  • 価格 : 1000円 (税込)

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