両親の思いと梅の木を継承、自然に友が集う場所。『uka』代表・ 渡邉季穂さんのくつろげる部屋(前編)

ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回は『uka』代表・トップネイリスト・ 渡邉季穂さんのお部屋です。

後編はこちら

間取り

設計と施工は『uka』の店舗も手掛けている『Same Picture Company』(神奈川県三浦郡葉山町)に依頼。「私の好みを知り尽くしている方々なので、一緒に作りやすかったです」

つねに人が集まる家。そんな理想を形にしました。

キッチンカウンターは、人造石研ぎ出し左官仕上げ(人研ぎ)という『uka』の店舗カウンターにも使う素材に。ダイニングテーブルはパリに移住した友人から譲り受けた欅の一枚板。偶然にも幅がぴったり。

「30年以上前ですが、妹が亡くなった年に、父が大事に手入れしていた実家の庭に1本の梅の木を植えました。実家の存続に悩んだ際、この木がなくなってしまうのが嫌で思い切って改築しました」

『uka』代表の渡邉季穂さんの実家は、長年両親が仲良く暮らし、友や親戚が集った思い出いっぱいの地でした。でも2015年に母、2019年に父が亡くなり、丸3年間空き家となっていたのです。

渡邉さんが小学校6年生の時に両親が初めて建てた家。大学生になってひとり暮らしするまで、このレンガの壁を見ながら帰宅した。「たくさんの友だちに来てほしいので、表札も『梅の木ハウス』」

「私が行けるのはせいぜい3ヶ月に一度。父の会社のOBの方々や親戚に助けていただき維持してきましたが、いつまでも迷惑をかけられない。売却しようかと悩んでいた時、ちょうど梅の木が満開だったんです。それを見て、自分と血の繋がった家族がいなくなった今、この木までなくなると、自分のルーツまでもがなくなるような寂しい気持ちがしたんです」

トータルビューティーカンパニーとして全国に店舗を展開する『uka』の店舗設計を手掛けていた渡邉さんだけに「家を建ててみたい」という気持ちもどこかにありました。そこで夫と相談し「想いのある梅の木や庭、外壁は残し、建物だけ変えたい」と店の設計を頼んでいる気心の知れた建築事務所に依頼しました。

PROFILE

渡邉季穂/わたなべ・きほ

雑誌、CF、広告、ショーなど、ネイルを通じてのクリエイティブ活動を始め、独自のネイル技術の普及に努め、プロネイリストの育成や『uka』のプロダクト開発も行う。

『クウネル』2024年7月号掲載 写真/木寺紀雄、取材・文/今井 恵

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『クウネル』NO.127掲載

くつろげる部屋が好き!

  • 発売日 : 2024年5月20日
  • 価格 : 1000円 (税込)

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