厳選したものだけに囲まれ、マイナス20平米の暮らし替え。インテリアスタイリスト・洲脇佑美さんのくつろげる部屋(前編)

ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回はインテリアスタイリスト・洲脇佑美さんのお部屋です。

後編はこちら

間取り

築23年、57平米。12.9帖のリビングダイニングと6帖の寝室。寝室は少し高い位置にあり、コージーな雰囲気。建築家が設計した室内は、細かな部分まで美意識が通っている。

もの探しのプロが厳選した品だけが並ぶ家。

〈ジェルデ〉のデスクランプ、〈IFUJI〉のオーバルボックス、〈グローブ・トロッター〉のスーツケースなど、「黒」がインテリア全体を引き締め。

「ナチュラルになり過ぎないよう、かごや木の道具など自然素材はアクセント的に使うように」。システムキッチンは、黒い取手が気に入っている。「こういうディテールこそが物件選びの決め手です」

トレーなどを収納しているのは〈IKEA〉の書類棚。1段目はカトラリーコーナーで、手前はドイツの〈アイヘンラウプ〉のもの。「友人3人で1セットずつ、毎年誕生日に贈り合っています」。

備え付けのテーブルは、クロスをかけてディスプレイコーナーに。大ぶりな枝物が、部屋全体に清々しさを与えている。ガラスのボウルにたっぷり入れたヒバチップからは清涼感のある香り。

「インテリア」を職業とするスタイリスト・洲脇佑美さんにとって、家は暮らしと仕事の集大成。築23年のマンションは、どこを切り取っても美しく、洲脇さんが仕事で表現する魅惑的なインテリアそのものです。

この家にたどり着くまでに、2年はかかりました。前の住まいが、3年という期限付きの物件だったため、入居からほどなくして、次の住まい探しを始めていました(すぐに決まらないことは想定内)。しかし、どうしても決まらない。

「ピカピカし過ぎた内装にリフォームされていたり、壁や床の質感がしっくりこなかったり……」。望んでいるのはただのシンプルな箱。なぜなら、家の中を素敵に味付けすることこそが、洲脇さんの喜びだから。ですが、その「ただシンプル」というのが、案外難しいのが日本の住宅事情。決定打に欠けたまま内見を重ね、とうとうリミットまで2か月というところで、この家に出合いました。

「有名な建築家の方が設計したマンションで、玄関から廊下を通って、このリビングを見た瞬間、『いいな』と思いました。どこに目をやっても、風景がかわいいんですよ」

PROFILE

洲脇佑美/すわき・ゆみ

インテリアショップの店員、スタイリストのアシスタントを経て独立。雑誌や書籍、広告などのインテリア・料理のスタイリングで活躍する。Instagram:@suwaq

『クウネル』2024年7月号掲載 写真/加藤新作、取材・文/鈴木麻子

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『クウネル』NO.127掲載

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  • 発売日 : 2024年5月20日
  • 価格 : 1000円 (税込)

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