【住まいと暮らしvol.56】自然から創作のインスピレーションを受ける、森に隣接した暮らしージュエリーデザイナー平結さん

リビングの飾り棚。「作家さんの花器から、旅先で購入したアンティーク、夫や子こども、自分が作ったり描いたりしたもの、道ばたや森で拾った石や種、枝やきのこなど、ジャンル問わずその時のお気に入りを飾っています」

キッチンの一角には、フィンランドで見つけたというビンテージのちょうちょの刺繍をアクセントに飾って。

キッチンにナッツがずらり。「小腹が空いたらナッツをよくつまむので、常に見えるところにストックしています」。隣には愛用する木や漆のカトラリーが並びます。

器が好きだという平さん。「購入したものから、友人の作家たちの器、子どもたちと手作りした器たちが並んでいます。私も作陶は10年近く、趣味で時折通っています。自分で作った器で食事をすることは、出来が悪くてもうれしさがあります」

6mある天井から吊るしたモビールが、ゆったりと空間を泳ぐリビング。

薪ストーブは「charlton & jenrick」。「インテリアになじむシンプルなデザインと燃焼効率の高さ、大きな窓から薪の炎がきれいに見えるところがひと目で気に入って選びました。焼き芋を焼くのが、毎年の冬の楽しみです」。手前にあるのは、秋田木工のビンテージのロッキングチェアとアフリカンスツール。

室内には観葉植物もたくさん。「ユニークな色や形の植物を見るとつい集めてしまいます。自分では思いつかないフォルムやその生態を眺めているうちに、ジュエリーデザインのアイデアソースとなることも多いです」

部屋の象徴ともいえるビカクシダ。「15年以上大切に育てているもの。当初よりも随分と大きくなりました」

最大6mという、天井の高さが特長。「窓の外の木々の緑が頂点まで見えるように設計してもらいました。窓から電線や建物など、人工物が見えないこともこだわったところ。とても静かな立地で、鳥や虫の声や風の音が心地良いです」

2階から外の眺め。「家の前の森も自分たちの敷地。窓から眺めるだけでなく、中を散策し、持ち帰って飾り、時には食します。暮らしのなかで五感を使い、季節を感じる日々です」

森ではフキ、ミョウガ、三つ葉、ニラ、ヨモギ、菊芋、栗、梅、お茶などなど、季節によってさまざまな種類の食草が収穫できるそう。「今日収穫したのは山ウドとタラの芽、三つ葉など。子どもたちも森での収穫が大好きです」

季節の移ろいを感じながら、森や畑で収穫した旬の野菜を料理できるのがうれしいと平さん。「今日収穫した山菜で作ったのは、ウドと切り干し大根とひじきのきんぴら(手前)とタラの芽のお浸しです」

敷地内の森から自宅に続く道。「枯れ木は切って薪ストーブのための薪に。焚き付けのための枝を拾い集めるのは子どもたちの仕事。探している間に、いろいろな虫や花、実を見つけて拾い帰ってきます」

「ここに住んでから、花屋で花を買うことがほぼなくなりました」と平さん。庭に咲く花や森で見つけた野草や実、枝を飾って。「写真は庭に毎年咲くスイセン。フレッシュないい香りが部屋中に漂います」

愛猫の”ずん”。「雑種で、赤ちゃんのときに保護団体から譲渡してもらい、早14才。おっとりとした性格だけど、ものすごくよく鳴いて話しかけてきます。こんなに鳴く猫を見たことがない、とよく客人に言われるほど。自分を人間だと思っているのかも」

夫婦で作る「Ryui」のジュエリー 。「自然からインスピレーションを受けてデザインするものも多いです。これは新緑をイメージしてデザインしたLeafシリーズのリングとネックレス。一枚一枚が違う葉っぱの柔らかな表情を、手彫りの葉脈で表現しました。自分を取り巻く環境の全てが、ジュエリーを生み出すアイデアソースとなっています」

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の森下豊子さんのバトンを受けてご登場いただくのは、ジュ ...[続きを読む]

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