【住まいと暮らしvol.56】自然から創作のインスピレーションを受ける、森に隣接した暮らしージュエリーデザイナー平結さん
平さんの暮らしのルール
1)感謝を感じ、その気持ちを伝える
2)食を大切にする
3)前向きに考える
夫婦でジュエリーブランド「Ryui」を運営する、平さん。デザインは自然からインスピレーションを受けることが多いのだそう。
「家を建てる際、緑のそばで自然に寄り添う生活をしたいと思っていました。リビングから人工物が見えない場所にこだわり、探し続けて、気がつけば7年以上。子どもも2人生まれ、いよいよ手狭になった頃に、“森付き”という珍しいこの土地に巡り合いました。都心から離れすぎず、アトリエまでもそう遠くない。自分のショップまでも1時間ほどで行くことができる都内で、滅多にない恵まれた環境にひと目で気に入り、移り住むことを決めました」
窓から見える緑は借景ではなく、自分たちの森。季節によって変わる森の虫や鳥の声が、毎朝楽しみだという平さん。
「インテリアでも、テクスチャーや形、色がユニークで、生命力を感じるものが好きです。美しいと感じる気持ちに正直に、木の実や石、虫、枝、粘菌や蜂の巣まで、ジャンルを問わず拾ってきて飾ります。お気に入りをいつでも眺めていられるよう、設計士さんにお願いして作ってもらった大きな飾り棚は、集めたものでいっぱい。それらはジュエリーデザインにおいても大切なインスピレーションのもとになっていると思います」
自然も都会も好きだという平さん。
「森を歩いて薪を集めることも、畑の野菜を育てて料理することも、好みの洋服を身にまとい、お気に入りのジュエリーをつけて都会に出ることも好き。家庭でも仕事でも興味があることややりたいことが山ほどあるなか、うまくバランスを取りながら、とにかく楽しんで歳を重ねていきたいです」
profile
平 結/たいら ゆい
和歌山県出身。「Ryui」ジュエリーデザイナー。2008年に夫の日向 龍とともにジュエリーブランド「Ryui」を設立。2015年、東京・西荻窪に直営店をオープン。“気持ちが溢れ出すような美しいものをジュエリーに込めて” をコンセプトに、日常使いのファッションジュエリーからブライダルリングまで、暮らしに長く寄り添い心を豊かにするようなジュエリーを目指し、ひとつひとつ自身のアトリエで丁寧に制作している。他にも「ミナ ペルホネン」とのコラボレーションジュエリーなども手がける。緑と隣り合った生活を求め、2020年に郊外の森の側に一軒家を建て、夫、長男、次男、猫1匹とともに暮らす。
https://ryui.jp
平さんがバトンを渡すのは、イラストレーターのササキサキコさん。「ササキさんは美大時代の同級生。プライベートでは家具職人の夫と、3人の子どもを持つお母さん。お互いに郊外に家を建て、仕事と子育ての両立を目指す、