【住まいと暮らしvol.44】北欧雑貨と猫とお菓子と。頑張りすぎない暮らしーkb’s bake 宮原美由紀さん

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の内野水穂さんのバトンを受けてご登場いただくのは、「kb's bake」の宮原美由紀さんです。

宮原さんの暮らしのルール

1) やさしい言葉を使う
2) 猫といる時間を大切にする
3) 口角を上げる

20年以上トリマーをしていたという宮原さん。結婚を機に、長年の夢だったというお菓子作りをスタートしたそう。

「洋食店を営んでいる父の姿を見て育ちました。キッチンを借りて7年近くお菓子の販売をしていましたが、2021年に実店舗もオープン。誰かに“おいしい”と言ってもらえることは幸せだと、自分でやってみて改めて実感しています」

現在は、ご主人が経営する北欧ビンテージを扱うセレクトショップ「maika」の、店内イートインスペースで毎日焼き菓子を焼いています。

「夫婦でお店をやりたいというのが、二人の夢でした。本当はもう少し先にと考えていたのですが、ちょうど夫の店も移転を考えていたので、やりたいことが明確にあるなら、元気で1歳でも若いうちにやろうと思い決意しました」

そんな宮原さんは最近、「上手な休み方」を練習中なのだとか。

「若い頃はとにかく走り続けて、手帳には、仕事や予定が朝から夜までぎっしり。そうじゃないといけないと思っていました。油断すると頑張りすぎてしまうので、頑張れるときとそうではないときをちゃんと見極め、ひとつひとつこなしていきたい。少し頑固な部分も出てきたかなと思うので、素直で軽やかな、純度の高い女性になれたらと思っています」

夫婦でコーヒーを飲む時間を大切にしているという宮原さん。「カップ&ソーサーはフィンランドの『アラビア』のビンテージのもの。柄が多いものより、シンプルなデザインが好き。夫がいつも、美味しいコーヒーを淹れてくれます」

北欧ビンテージなどの食器を集めたショーケース。「長い冬があるからこその明るいデザイン、美しいだけでなく機能的なインテリアや家具に触れるうちに、私もどんどん北欧雑貨に惹かれました」

4年前に古い戸建てを購入し、リノベーションしたという宮原さん宅。「ドアの形とグレーの色がお気に入り。内装工事の人と相談しながら、できるところは自分たちで。壁のペンキを塗ったり、とても愛着のある家となりました」

リビングの奥にある、小さな部屋。「左の窓から入る光が好きです。木の壁は、前に住んでいた方が施したもの。木に囲まれた小さな空間が、山小屋みたいで落ち着きます。いずれはここにソファを作りたいと検討中です」

飼い猫のまーはオスの9歳。トリマーとして動物病院で働いていた時に、弱っている状態で保護したそう。「子猫だったまーも、もうシニア。持病があり、小さい頃から毎日欠かさず薬を飲んでいます。病気や高齢の猫をたくさん見てきたので、少しでも多く、一緒にいようと心がけています」

ベッドの上がまーの定位置。「寒い時期はほとんど移動しないで、1日ぬくぬく過ごしています。夜一緒に寝ると、湯たんぽ代わりになります」

『アルテック』の布をかけた2階の窓で、日向ぼっこをするのが好きなまー。「こういう姿を見ると癒され、やさしい気持ちになれます。休みの日はまーの姿を見ながら、読書をしたり、ゆっくりした時間を過ごすのが好きです」

ストレッチや体のメンテナンスがいつでもできるよう、寝室の横の部屋にヨガマットを敷きっぱなしに。「実はヨガのインストラクターの資格を持っていて、副業で教えていた時期もあります。今は自分のメンテナンスに役立てています」

花は、昔から近所にあるお花屋さんで購入。「パッと目が合ったものや、店主の方におすすすめを聞いて買っています。小さなピンクのバラは、花が開いてもかわいくて、また出合いたいなと思います」

夫婦で同じ誕生月。「野良猫だったまーは誕生日がわからないので、私たちと一緒にお祝いしています」

今年の初夏にビンテージの食器の買い付けのため、4年ぶりにフィンランドへ。「これは、ヘルシンキの電車のホーム。夏のフィンランドは初めてで、空の青さが印象的でした」

フィンランドに行くときはいつも、アパートを借りて現地で暮らすように過ごしているそう。「今回借りた部屋は、広い窓が気持ちよくて。コンパクトなキッチンがついていて、近くのスーパーで買い物をして自炊しました」

宮原さんの焼くお菓子。季節の素材を使ったマフィンやスコーンなど、焼き菓子を作っています。

フィンランドで食べた、シナモンロール。「カルダモンがたっぷり入っていて、手のひらよりも大きなパン。甘すぎず、コーヒーと一緒に食べると本当においしくて大好きです」

profile

宮原美由紀/みやはらみゆき

動物病院でトリマーとして勤務後、2021年5月に「kb's bake」をオープン。国立で、夫が営む国内外の生活雑貨や北欧ビンテージの食器などを扱う「maika」内にある、イートインスペースという形で、毎日焼き菓子を焼く。飼い猫まーとともに暮らす。
https://kbsbake.theshop.jp
Instagram@kb_bake_journal

 

宮原さんがバトンを渡すのは、料理家のいづいさちこさん。「同じ国立で、料理教室などをされています。私の店にもよく来てくださって、いつも明るく、気さくに食材のことなどを話す時間がとても好きです」と宮原さん。いづいさんの暮らしは、11月下旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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