【住まいと暮らしvol.45】仕事以外で、ものづくりに没頭する時間を大切に/料理家 いづいさちこさん

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の宮原美由紀さんのバトンを受けてご登場いただくのは、「くにたちの食卓 いづい」を主宰する料理家のいづいさちこさんです。

いづいさんの暮らしのルール

1)早寝早起きをする
2)たくさん歩く
3)季節の食材をいただく

東京・中央線の国立駅近くのご自宅で、料理教室「くにたちの食卓 いづい」を主宰しているいづいさん。

「物心ついた頃から、お菓子作りや料理が大好き。料理の道に進もうと決め、働きはじめたオーガニックレストランや懐石料理店で料理教室をしていて、アシスタントをしました。その経験を重ねながら、“料理人になる”よりも“料理を作る楽しさを伝えて共感したい”という想いが強くなり、料理教室をはじめることにしました」

レッスンでは、生徒さんからのリクエストを受けて、メニューを構成するそう。

「試作を重ねて納得のいくレシピにたどり着くまでの道のりが、大変ではありますが楽しく、やりがいを感じます。レッスンで皆さんからリアクションをもらうと、さらに嬉しい気持ちになります」

3児の母でもあるいづいさん。自分の時間を作るために朝の時間や隙間時間を活用。一人で黙々とする時間が、リフレッシュになっているのだとか。

「まとまった時間はなかなか取れないので、刺繍ブローチを作ったり、水引きで箸置きを作ったり。今は次の台湾茶レッスンに向けて、台湾風の切り絵を楽しんでいます。

ここ5年くらいで、食の嗜好が少しずつ変化し、お肉より魚介類がおいしくて、身体が求めている気がします。甘いものも大好きですが、今は美味しさを知る分だけいただくだけで満足。食の楽しみ方は変化していますが、いつまでも食を楽しみ、身体が元気な限り食に関わる仕事をしていたいです。季節の食材を、そして季節を感じて楽しむ手軽なツールとしての、料理のおもしろさをこれからも発信していきたいですね」

 

ほぼ毎日、市場かごを提げて買い出しに行っているといういづいさん。「スーパーの肉や魚の大きなパックがそのまま入り、いちごなどの傾かせたくない食材も安心。青菜やバゲットなど、食材が飛び出すのもいい絵になっているはず。まさに用の美です」

盛り付けがしやすく、どんな料理やお菓子にも、しっとりとした雰囲気を演出してくれる包容力があるオーバル皿。「見かけるたびに心がくすぐられ、どんどん増えていく日々です」

最近夢中だという台湾茶。「おままごとのような茶道具の愛らしさに惹かれ、台湾茶カフェに行ったり、家でも台湾茶を入れてお茶の時間を楽しんでいます。お気に入りはミルキーな金宣茶や、こっくりとした東方美人茶です」

いづいさんがキッチンの重鎮だという、水屋箪笥。「近くの骨董屋さんにお願いして、仕入れていただいたもの。奥行きもあり、仕切りが少ないので、想像以上の収容力。ついつい器の買い足しが止まらず、私の宝物がぎっしり詰まっています」

5年前に購入した階段水屋。「近くのアンティークショップでひと目惚れ。コンパクトなサイズ感が絶妙で、玄関の扉を開けるとまず目に入る真正面に置いています。お気に入りのコーヒー道具などを置いて、大活躍しています」

寝ぼけながらコーヒーを淹れるのは、朝一番のルーティン。「近所の国立コーヒーロースターさんの、焙煎したての豆をドリップ。カリタの電動ミルは、程よい機能と美しいフォルムです」

重箱が大好き。「20代の頃、骨董市で見かけた重箱にひと目惚れしたのがきっかけ。おせちや行楽弁当はもちろん、日々のおかずを盛り合わせたり、お菓子を詰めたり。箱詰め遊びは尽きません。お気に入りは、ヤマザキデザインワークスさんの檜の枡重です」

ほぼ毎日、家族のお弁当を詰めるといういづいさん。「曲げわっぱや杉のお弁当箱を愛用。お気に入りは、秋田の黒木クラフト工房のお弁当箱です」

家を建てるとき、100枚以上の格子戸が並ぶ骨董屋さんの倉庫から選んだ1枚。「白壁にさりげなく、和風になりすぎないようにしたい、というイメージを伝えてできあがった、こだわりの玄関です」

ご自宅にはヒンメリやモビールなどがたくさん。「そよ風の心地よさを満喫したいので、やさしい風になびくモビールが大好きです。落ち葉やヒンメリ用の細いストローなどで、手作りのモビールを作るひとときも心地がいいんです」

玄関先に飾っているという、多肉植物のリース。「ぷっくりとした表情の愛らしさはもちろん、手入れが気軽にできるのも魅力。園芸屋さんでかわいい多肉植物を見かけては、つい調達して、メンテナンスを楽しんでいます」

クリスマスだけではなく、1年を通して季節感のあるリースやスワッグを作るそう。「材料は近所のMartcaさんで調達。ドライのグリーンやお花の香りに包まれ、無心になりながら、ひと足先の季節に思いをはせています」

お菓子作りは、大切なリフレッシュの時間だと語るいづいさん。「季節を感じるお菓子が大好き。特に好きなのはクリスマス菓子のシュトーレン。ひと足早く季節感を感じる贅沢さ。フィリングを気まぐれでアレンジしながら作ります」

旬のフルーツのおいしさはもちろん、走りのフルーツから感じる、これからの季節感がたまらなく好きなのだとか。「いちごと姫りんごのフルーツの香りに、これから訪れる季節の楽しみが広がります」

フルーツはチーズと合わせてサラダに。「そのままで食べるのも好きですが、さわやかなチーズと合わせて、甘味のあるフルーツサラダは絶品。食卓にフルーツの一皿があると、テーブルに季節感が生まれ、彩りよく華やぎます」

仕事柄、季節を先取りする料理を試作する日々。「試作以外でもひと足先の季節を感じたい。ゆずを見かけたこの日は、ふろふき大根に。田楽みそとゆずをたっぷり乗せて」

profile

いづいさちこ

静岡県生まれ。「くにたちの食卓 いづい」主宰。オーガニックレストラン、懐石料理店、パン屋さん、料理教室のインストラクターなど、さまざまな経験を活かし、2004年夏より自宅にて料理教室を始める。著書に『箱詰めもてなしレシピ』、『9つの調味料とスパイスがあなたを変える』(ともに誠文堂新光社)。3児の母。
http://kunitachinoshokutaku.com

いづいさんがバトンを渡すのは、チーズ研究家のかのうかおりさん。「バスク風チーズケーキの火付け役であるかのうさん。おいしさ、味わいを常にとことん追求されています。同世代で食を追求するタイプ、そして3児の母と共通点が多く、実は知り合ってからは日が浅いのですが、同志のように感じています」といづいさん。かのうさんの暮らしは、12月上旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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