結城アンナさんの一番大切な場所。スウェーデンの職人が手掛けた築40年の別荘を訪問【後編】
結城アンナさんがお父様から譲り受けたブルーの壁が目をひくログハウス。スウェーデンから職人を呼び寄せて建てたというこちらの別荘にお邪魔しました。
PROFILE
結城アンナ/ゆうきあんな
シンプルで自然体な暮らしに注目が集まる。Instagram:@ayukihouse、クウネルサロンの連載『インスピレーションの扉』、クウネル公式YouTubeチャンネルの動画も好評。
物、場所、雰囲気を大事にすることがテーマ
別荘を通して、自分自身のルーツを考えるようになったというアンナさん。
「父と一緒に生活していなかったからか『父のこと、あまりわかってなかったな』と思うようになりました。ふと、私自身のことが父と重なったんです。私は15歳で生まれ育ったスウェーデンから日本に来て『これからは、ここに住むんだ』と。一方、父は14歳で日本からスウェーデンに来て『ここで暮らすんだ』と。この別荘を通じていろいろなことが見えてきて、父への親しみや、自分のルーツも感じるようになりました」
さらに、別荘を取り囲む自然にも思いを馳せます。「これだけの自然の中にいると、自分と自然が深まっていくよう。逞しく育つ木々、心地よい川の音、そういうものを感じる度に、人間も植物も動物も同じなのよね、だから私たちは支え合いながら生きていかなくては、と」
そして別荘での過ごし方をうかがうと……。
「私が育ったスウェーデンでは、『人間はお給料のために働いて家に帰ってくるだけではない。休むときはちゃんと休む。1カ月ぐらいは休暇をとり、気持ちを休め、リフレッシュして帰ってくる』。そういう習慣がありました。1カ月がいいという期間の問題だけではなくて、靴をはかない、一日中パジャマで過ごす、髪の毛はぼさぼさでいい。そういうワイルドさで休暇を過ごすスウェーデンて素敵!と子供心に思っていました。
この別荘に来ると完全にそういう気持ちに。三日間ぐらい同じ格好をしていると自由になる。きれいでいよう、明日何着よう、何食べようというストレスもなく、本当に自由。何時だから食べなくちゃいけないもダメもない。普段、どれだけストレスを抱えて生きているかにハッとしますよ。ストレスを人に与えるのも、受けるのも嫌。ここはすべてから自由になれて、心も自然に戻れる場所」
“幸せは物ではなく、お金でもなければ気持ち”と、常々話すアンナさんのバックグラウンドには、スウェーデンが大いに影響しているよう。それを別荘で体感しているアンナさんが、新たな計画を進行中と聞きました。
「キッチンの窓から見える赤い屋根の建物があるでしょ?あれもじつは同時期に父から譲り受けました。今は修繕をしたり、テラスを造ったりして、今秋から使えるよう準備をしています。私だけではできないので、友人にサポートをしてもらって。テラスでヨガをするのも素敵でしょう!いくつになっても楽しむことを忘れない。父からの贈り物は、そんなワクワクも私に与えてくれました」
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『クウネル』9月号掲載 写真/須藤敬一、ヘア&メイク/清水ヤヨエ、取材・文/河田実紀
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