東京と葉山、あこがれの二拠点生活。オープンな人柄のような開放的な葉山の家/江波戸玲子さん【後編】
日々をもっと輝かせるために、生活の拠点を2つにしたという人が増加中。前編に引き続き、ギャラリー、着付け教室などのを開催する江波戸玲子さんの東京・桜新町と神奈川・葉山、憧れの二拠点ライフをお届けします。
PROFILE
江波戸玲子/えばとれいこ
ギャラリー、着付け教室、オリジナルのきものとラオスやカンボジアの布などを展示・販売するPONNALET
を主宰。http://www.ponnalet.com/
好きな作家の作品に囲まれて、幸せな気持ちになります
「葉山の家に着いたら、まずは窓を開けてベランダから外を眺めます。ここにいて、この景色を見て、この空気の中で深呼吸すると、もうそれだけで、ずっと健康でいられそうな気分になります。朝起きたときも快適。葉山へはいろいろ用事があるから来るのですが、どんなに忙しくても、この環境の中で仕事するのは全然違いますよね。本当に幸せな気持ちになります」
そんないい気が流れる場所に、開放感のある家を設計したのは、個人住宅設計の第一人者、中村好文さん。
「旅行にみんなで行ったり、いろんなところに何度もご一緒させていただいたり、飲んだり食べたり。依頼してから1年半くらいはそんなことをしていたから、設計に至るまで時間がかかったのですが、打ち合わせが最高に楽しくて、むしろもっと長引いてもいいくらいに思っていました」
「引き戸の取っ手や手すりにも、住む人自身のことを考えた使いやすい工夫がされているんです。また、私はユーモアがあることが好きなのですが、中村さんの設計には、〝何コレ!?〟とクスッと笑っちゃうような仕掛けもあって、日常を楽しませてくれます。そんなふうに、いろんなことを話している中から、私のライフスタイルなども的確にリサーチしていたのですね。ただ飲んでいるだけじゃないんだよと、後に言っていました」。また、住むだけではなく、作品展示の用途もある家ですが、「ギャラリーにするのは毎日じゃないんだから、普段の暮らしが心地よくなることに重点を置いた方がいいんじゃない」という中村さんのアドバイスに従い、ギャラリー仕様にしなくてよかったともいいます。
唯一のリクエストは、「外と中との一体感があって、大きなテントの中にいるように感じられる家」ということ。引き戸による大きな開口部を作り、内と外を一体化させて、庭からも靴のまま室内と行き来できる、外に開かれた家。そんな家の特徴には、「開放感があると居心地がいいし、誰でも来てくれる方が好き」という、本人のオープンマインドな人柄が反映されています。
「〝家〟が好きなんです。人の家に行くのも大好きだし、家にいる時間もとても好きです。だから仕事をしていなかったら、本を読んだり、この家をもっと味わいたいと思っているんですけど……。でも今はイベントをしながら、皆さんが来てくれて、それぞれに楽しんでくれることが、何よりも幸せですし、ありがたいなと思っています」
多忙でも充実した日々を、生き生きと活動する江波戸さん。葉山の家でのんびりと過ごすライフスタイルにシフトするのは、まだ少し先のようです。
二拠点>東京・桜新町の二世帯住宅
東京の自宅は、35年前に夫の兄夫婦と一緒に建てた二世帯住宅。その後、娘夫婦との二世帯で住んでいたが、娘たちが今年引っ越ししたため、現在は夫と二人暮らし。
江波戸玲子さんのYouTube動画も公開中!
SHARE
『クウネル』No.122掲載
やっぱり、家が好き!
- 発売日 : 2023年7月20日
- 価格 : 980円 (税込)