お手本はベルギーの素敵な空間。暮らすほどに愛情を感じるフードスタイリスト・城 素穂さんの住まい
家で過ごす時間が何より好きだというスタイリストの城さん。〝居心地のよさ〟を目指し、住まいと暮らしを整える方法とは?
PROFILE
城 素穂/じょうもとほ
フードスタイリスト。フードまわりのスタイリストchizuさんのアシスタントを経て独立。ベルギー・アントワープのレストランに留学後、再びスタイリストとして活動。現在は夫と3歳の娘、愛犬の3人と一匹暮らし。
庭の柿の木とハナミズキの緑に癒される、 暮らすほどに愛情を感じる住まい
食まわりのスタイリストとして長年、活躍している城さん。出身は東京で実家を出てからは姉と都内のマンションで暮らしていたそう。そんな城さんの転機は29歳のとき。順調に仕事を続けていましたが、「今しかない!」と思い立ち、長年の夢だった留学を実現しました。
「ベルギーのレストランで1年強、働いたのですが、レストランの2階がオーナー夫婦の住居で、プリミティブアートにモダンなインテリアを合わせ、さらに、蚤の市で集めた古いものが混在するとても素敵な空間でした。〝ベルギー人はレンガを抱えて生まれてくる〟という言い伝えがあるのですが、築100年以上の家をリノベーションしながら自分なりの居心地のよい空間を作っている家が多いのが印象的でした」
その後、帰国し、スタイリストとして仕事を続けた城さん。都内のマンションで5年ほど暮らしたのち、現在、暮らしている物件と出合いました。2棟が繋がるテラスハウスで、1階に一部屋、中2階に広めのリビングルーム、2階にキッチンとダイニングがあるという面白い建物です。
「窓がたくさんあって緑や光を感じられ、やはり天井が高いのも魅力でした。さらに、キッチンとダイニングから見下ろせる共有の庭が素晴らしくて、ひとめぼれでした」
転居するにあたり、当時お付き合いをしていた現在の夫と結婚。その後、愛犬の「もずく」を迎え、娘を授かり家族が増えました。「階段が多く赤ちゃんと暮らすには難ありでしたが、自分たちが好きな家で子育てをしてみたい、娘にもこの空間で過ごしてほしいと思い、転居は考えませんでした」
娘の成長に合わせてソファをベビーベッド代わりにしたり、家具の配置を変えたりと工夫をして生活してきたそう。そんな住まいも現在は7年目。
「自分でも不思議なのですが、この家もこの地域も住めば住むほど味わい深く、いっそう好きになっていきます。先のことはわかりませんが、いまはこの空間を大事に過ごしていきたいですね」
『ku:nel』2023年9月号掲載
写真/鈴木静華、取材・文/結城 歩
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『クウネル』No.122掲載
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