【住まいと暮らしvol.36】流れにまかせて、等身大の自分を認めていきたいー「UCHU wagashi」木本倫子さん

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の青木裕子さんのバトンを受けてご登場いただくのは、「UCHU wagashi」の木本倫子さんです。

木本さんの暮らしのルール

1)母である自分を味わい、楽しむ
2)一人の時間を確保する
3)流れにまかせる、流れに乗る

京都で、落雁で知られる和菓子ブランド「UCHU wagashi」のディレクターを務める木本さん。高校2年、中学2年、小学4年の3姉妹の子育てをしながら、子どもと一緒に楽しめるイベントの企画運営なども行っています。

「だいぶ手が離れてきましたが、小さいときとは違う面白さや大変さもあります。もちろんかわいさもあり、母として楽しませてもらっています。子どもたちから、私の知らない世界の話がいろいろ聞けるのがとても面白いです」

10年ほど前から、ネフローゼ症候群という腎臓の病気と付き合っているという木本さん。

「三女が産まれたときに発覚。ひと月から長い時は3ヶ月、3度の入院をしました。子どもたちに寂しい思いをさせてしまって申し訳ないと罪悪感でいっぱいでしたが、毎回、退院したら皆ものすごく成長して驚きました。完治はしない病気だとは言われていますが、薬を少しずつ減らしていっています」

成長するお子さんたちの姿や、助けてくれる仲間や家族の優しさに触れ、流れにまかせられるようになってきたのだとか。

「今は甘えて、できるときに恩返しを少しずつでもしていこう、と思えるようになりました。流れに身をまかせ、優しさに甘えて弱い自分も認めてあげることで、ずっと力んでいた私に気が付きました。これから自分を褒めてあげながら、私の生きたい道を探り続けたいです」

庭の花とUCHU wagashiの落雁「drawing」を並べて。「子どもたちとときどき楽しむ、ちょうちょの落雁を使った遊び。庭から娘がお花をとってきて並べてくれました」

リビングの本棚横にはSnow Peakのローチェアを置いて。「軽やかなリビングにしたい、でもくつろげる椅子に座ってゆったりしたいと考え、重たい家具ではなくこのローチェアに。ゆったり腰掛けて読書をするのにぴったりです」

読書が好きだという木本さん。特に三砂ちづるさんが好きなのだとか。「今は「ケアリング・ストーリー」という誰かに思いをかけることをテーマとしたを読んでいる最中。三砂さんの紡ぐ文章が大好きで、いつもたくさんの気付きをもらっています」

レシピ本もたくさん。「食に関するは見ているだけで楽しくて、ワクワクします。作らなくても、読みものとして手にすることも多いです」

明るい寝室には、緑の植物を置いて。「背の高い台は、坂田卓也製作所で作ってもらいました。脚がスッと伸びて、何を置いても様になります」

仕事場デスク前には、頂いたDMを飾って。「眺めるだけで癒されます。ずっと変わらず使っているほぼ日手帳のカバーは、ミントデザインのものでお気に入り。小石はときどき拾ってしまいます。ポケットに入れて持ち帰り、選りすぐりを置いています」

ごはんは鍋で炊いているという木本さん。「数年前までは土鍋で炊いていましたが、最近はストウブを使っています。小4の三女もこれなら1人でお米を洗って炊き上げ、片付けるまでができます。水加減もよくわかってきていて、上手に炊けるようになりました」

家族みんな胡麻好き。「子どもたちもすぐに手にとりやすく、テーブルに置いても邪魔にならないデザインの容器を数年前にIDEEで購入。使い勝手も良くて大満足です」

糠を混ぜるのが日課。「ときどき、娘にも混ぜてもらっています。子どもが混ぜるとより美味しくなるような気がします。糠漬けに使う野菜は、近所のオーガニック栽培の農家さんに配達してもらっています」

調味料は生活クラブで。「いろいろ使ってきましたが、コスパや使いやすさでこれらに落ち着きました。生活クラブは15年ほど前から利用していて、安心安全だと思える食材が揃っているので、愛用しています」

朝食前に、日茶ですっきりしてからスタート。「お茶は20年以上前から、山英の無農薬のお茶を飲んでいます。イイホシユミコさんの急須はスタイリッシュで、お茶が美味しく淹れられます。主人は、南山城村の清水 善行さんの湯呑み、私は鈴環さんのコロッと丸い湯呑みで。コースターは娘の手作りです」

ときどきの甘い時間は、UCHU wagashiの「フルーツの羊羹」。「食べる前に2時間程冷蔵庫で冷やすと、より美味しく頂けます。フルーツの羊羹は東京に出張の際に購入した、砂田夏海さんのガラス皿にのせて涼やかに」

talk to me の久留米絣ワンピース。「背景に物語があるような洋服に憧れます。大きく開いた首元は、首をスッと長く見せてくれます。特別な暖かな日に着る大切な1枚です」

かごには数種類の薬を入れて。「この病気になるまでは、なるべく薬を飲まず工夫して暮らしていたので、毎日たくさんの薬を飲まなくてはならないのが辛く、少しでもお薬タイムが楽しい気分になるようにお気に入りのかごに入れています」

下鴨神社のある糺の森(世界遺産)へは自宅からすぐ。「毎日自転車で、糺の森を抜けて仕事場へ向かいます。贅沢な通勤路です」

水辺が好きだという木本さん。「鴨川へは徒歩5分なので、朝の散歩コースに。遠くに行った帰りに鴨川を見ると、帰ってきたなとホッとします」

profile

木本倫子/きもとともこ

京都市生まれ。京都市在住。京都芸術短期大学卒。デザイン会社などを経て、2010年に京都西陣に落雁専門店「UCHU wagashi」を夫と共にスタート。プライベートでは子どもと一緒に楽しめるイベント企画運営も。3姉妹の母。
http://uchu-wagashi.jp
Instagram@kikitomoko

木本さんがバトンを渡すのは、那須真由美さん。「子どもを通して知り合い、15年ほどのお付き合い。毎月、身近なテーマでフリーパーパー「どろんこ」を5年間発刊したり、イベントなどの企画も一緒にたくさんしてきました。人柄もセンスもよくて大好き。私にいつも元気をくれる、太陽みたいな友達です」と木本さん。那須さんの暮らしは、6月下旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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