漫画家・東村アキコさんも夢中!脳を揺さぶられる「刺激的漫画」4作品
「ごく身近にあるエンターテイメント」として愛されている漫画。東村アキコさんは、どんな漫画に心動かされているのでしょうか。今回は脳を揺さぶられる「刺激的漫画」4作品について語っていただきました。
読み始めたら止まらない!脳を揺さぶられる刺激的漫画
「これって、私のこと?」。いまを生きる女性たちのもやもやの核心をつき、心を揺らす『東京タラレバ娘』や『偽装不倫』など......。著作の多くがドラマや映画の原作になり、ときめきやワクワクを求めるマチュア世代にアツく支持されています。
漫画、どんどん読んでいただきたいです。50〜60代といえば、多感な頃に『ザ・少女漫画』が全盛。かつてはどっぷり楽しんでいた世代ですよね」。たとえ、しばらく漫画から遠ざかっていたとしても、「経験値」を活かし、気軽に読んでほしいと話します。
「いまは、あの頃とはちがう読み心地が味わえるかも。たとえば、主人公の女の子も、王子様を待っているだけではない。自分でどんどん動いたり、ヒロイン像も変わってきています」
若い世代の空気感やカルチャーを自然につかむのにももってこい。「若い子と話すときに『何を話題にしよう?』とか臆することが、私は全く無くて。それって、漫画を描いたり、いっぱい読んだりしているからだと思 います。若者のチャンネルにバッと合うんですよね。世代が離れているからノリがちがう、と線を引いてしまうのはもったいない。職場にいる若い子がよくわからないという方とか、漫画を読むと苦手意識が薄れると思いますよ」
【おすすめ1】少女漫画ならではのときめきに浸りたい方に
【おすすめ2】「まさか」のストーリーにスクロールの指が止まらない
漫画カルチャーの変化といえば、デバイスの多様化もあります。いまはスマホやタブレットにコンテンツが溢れていて、いろいろな作品に手を出しやすいのです。とくにおすすめはウェブトゥーン。従来の漫画は横に向かって読むのに対し、スマホやタブレットで、縦にスクロールして読める漫画です。
「フルカラーで、絵の密度もスマホを意識したボリューム感。細かい字が読みづらいという世代でもすごく読みやすい。たとえば、旅行の移動中に、夜寝る前に......、気軽さがちょうどよく、ぜひ日常で楽しんでいただきたいです」
【おすすめ3】家族、恋人、友だち。 人間関係の妙が凝縮されて
審査員を務める「講談社漫画賞」で出合い、めでたく第45回の総合部門を受賞。「主人公が私たちと同世代で共感しやすく、ストーリーが圧巻。選考委員をする上で大事にしている『こんな漫画読んだことない!』という感覚が詰まっています。絵もきれいで読みやすく、『最近漫画から離れていて』という方への入門編にもいいですね」
【これもおすすめ】現代過去を行き来、練られたストーリーに脱帽
「ちょっと激しいかも」と言いつつ、おすすめしてくださった話題作。「アイドルオタクの話かと思いきや、それだけでは全然なくて、先の読めない展開が衝撃的におもしろいです」。いわゆる転生もののファンタジー設定でありながら、サスペンス要素や、芸能界の光と影を描くなど、独自の世界観が魅力。2023年にはテレビアニメ化も決定。
『クウネル』2023年1月号掲載
写真/大森忠明 取材・文/鈴木麻子
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『クウネル』No.118掲載
私の人生を変えた本
- 発売日 : 2022年11月18日
- 価格 : 980円(税込) (税込)