観光客のいないパリを松永加奈さんが巡り、美しい景色をシェアしてくださるパリ散歩第二弾。リュクサンブール宮殿、チュイルリー公園……、やっぱりパリはどこを切り取っても絵になるのです!
パリ市は山手線の内側くらいの広さと言われています。私が街歩きするのはその中心部というかなり狭い範囲ですが、歴史的建造物や公園、趣の違うアパートなどが並んでいるので、いつどこを切り取ってもいろいろな表情が楽しめます(但し、道が汚くて歩きにくい石畳も多いので足元には要注意)。
ルーブル美術館の北側に建つ、王宮だったパレ・ロワイヤル。今は文化省などが入り、中庭と柱廊は一般に開放されて市民の憩いの場に。フランス人は屋外が大好きなので、公園は季節を問わず(よほど寒くなければ)人で溢れています。チュイルリーやリュクサンブールのような、元は宮殿の庭だった場所には、噴水とたくさんの彫刻がお約束。さながら絵画のような景色が広がります。
「かつては…」と冠が付く建物が多いパリ。オルセー美術館の大きな時計やアーチ形の天井は、かつて鉄道駅舎だったことを思わせます。1900年のパリ万博のために建てられたグラン・パレとプティ・パレは、今は展示会場や美術館に。負傷兵の看護施設だったアンヴァリッドは、ナポレオンの墓所や軍事関係施設、博物館として引き継がれています。こういった文化施設は一部修復してあるものの、その姿はほぼ当時のまま。荘厳で美しいのですが、あちこちから「歴史の圧」がどーんと感じられて、改めて見ながら歩くとちょっと疲れるほどです…。
大きな増改築はせず、新しい建物も滅多に登場しないパリですが、ただいま数か所で大がかりな工事が行われています。チュイルリー公園は並木道を増設し、2年前に火災が起きたノートルダム大聖堂では焼失部分を再築中。また、2024年のパリ・オリンピックに向けてグラン・パレが改装中のため、エッフェル塔前に「仮設グラン・パレ」が建設されています。こちらはもうすぐ完成(予定)。2024年までの各種イベント会場、またオリンピック本番でも柔道などの競技会場になるそう。期間限定でこちらも新名所になるかも?