ツレヅレハナコさん流大人のひとり旅。「ここは本当に東京?」という自然豊かな御嶽山の宿坊へ気軽に

「自由で気が楽」「一人だからこそ、旅先で面白い人や出来事に出合うことができる」。ひとり旅好きのみなさんが話してくれたエピソードにはそんなお楽しみがいっぱい。自身で撮影した写真を見せてもらいながら、そんなひとり旅の誘いに耳を傾けてみませんか。
都心からすぐの宿坊でのんびり。 日常以上、旅行未満のひとり旅。
旅好き、旅上手で知られるツレヅレハナコさんに好きなひとり旅の形を聞いてみると……。「ここ数年、通っている御岳山の宿坊がおすすめです」という意外な答えが返ってきました。

周囲は標高800m以上、自然の中の散策が気持ちいい。
30代のころは名所や名店を精力的にめぐる旅や、どうせ行くならと、部屋に露天風呂がついているちょっと贅沢な宿に行くことが多かったのですが。「もう少し気軽に行けるような旅もしたいな」と思っていたとき思い出したのが、学生時代によく通っていた東京・青梅市の御岳山の宿でした。

紙垂が印象的な「駒鳥山荘」入口。
JR中央線から青梅線を乗り継いで、御嶽駅へ。そこからバスとケーブルカーで目的地の御岳山に。都心から2時間半強で「ここは本当に東京都ですか?」というほどの豊かな自然に恵まれた場所に出かけられるのです。創建2千年以上と伝えられる武蔵御嶽神社への参詣客向けの簡素な宿坊がツレズレさんのおすすめ。神社近くに20軒以上ある宿坊は神職を務める方々が運営する宿も多く、茅葺き屋根の建物や宿内の神殿なども目を引きます。

急勾配のケーブルカーで山頂へ。
「そもそも武蔵御嶽神社に参拝する方たちの宿だから華美である必要がなくて、部屋はすごくシンプル。でも地元でとれる野菜やきのこを使った料理はおいしいし、冬はふとんに湯たんぽを入れてくれたりする心遣いになごみます」

宿坊「駒鳥山荘」の夕食。地の野菜や川魚が。
美しい風景と清澄な空気が心を癒してくれる上に、ふと時間が空いた日にすぐに出かけられる近さと気軽さもうれしいところ。「好きな本と、パックとかペディキュアなどちょっと手間のかかる美容グッズ、下着だけバッグに入れて。パソコンは持っていきません」
日常以上、旅行未満のひとり旅、こんなに気軽で素敵な旅の方法を知っているのも大人の女性の証しです。

この日持参した大平一枝さんの著書とお酒が就寝前のお供。
PROFILE
ツレヅレハナコ/つれづれ・はなこ
文筆家・料理研究家 49歳
簡単な「仕込みおき」でおいしく体を整えるためのレシピ集『ツレヅレハナコのからだ整え丼』についで、第2弾『ツレヅレハナコのからだ整えカレー』を出版(ともに学研)。
『クウネル』2025年9月号掲載 取材・文/船山直子
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