80歳を超え、テーマは「青春」。稀代の建築家・安藤忠雄の大規模個展が16年ぶりに大阪で開催中!

挑戦の軌跡から未来へのビジョンまで集約「安藤忠雄展|青春」

建築家 安藤忠雄、1941年大阪生まれ。79年「住吉の長屋」で日本建築学会賞を受賞、以降国内外で受賞多数。イエール、コロンビア、ハーバード大学の客員教授歴任、97年から東京大学教授、現在、名誉教授。
独学で建築を学び1969年より建築設計活動をスタート、80歳を超えた今もなお第一線で活躍する安藤忠雄氏。今回の「安藤忠雄展|青春」はその壮大な挑戦の軌跡とこれからのビジョンが一望できる内容になっていて、60の建築プロジェクト、230余りのスケッチ・ドローイング、模型などが一堂に会します。

安藤氏にとっての青春のアイコン「青りんご」が、直径2.5mもの大きさで来訪者をお出迎え。
会場となっているのは、大阪の都市再生プロジェクトの最前線として商業施設やホテル、大規模公園「うめきた公園(UMEKITA PARK)」などで構成される新たな街・グラングリーン大阪の一角にある文化装置「VS.(ヴイエス)」。安藤忠雄建築事務所がデザイン監修を手がけており、地下の約1,400㎡の空間に施設のほとんどが埋め込まれ、地表に顔をのぞかせるのはごく一部というユニークな建物となっています。
2つのゾーンで構成される展示エリア&インスタレーション
地下空間に展開する展示エリアは「挑戦の軌跡」エリアと「安藤忠雄の現在」エリアの二つのゾーンで構成され、どちらのゾーンにも特徴的なインスタレーション空間が内包されています。

「挑戦の軌跡」エリア。幾何学と光を主題とする12枚の鉛筆ドローイング、若き日の旅のスケッチ、仕事場「大淀のアトリエ」模型などを紹介。
「挑戦の軌跡」エリアは、1969年から半世紀に及ぶ安藤氏のキャリアを一望。壁面には安藤建築の特徴的なドローイング、住宅や教会等の初期の代表作が並び、中央の展示台には都市建築の名作が国内外地域ごとに展示されています。

展示空間や環境を含めて作品とみなす現代美術の表現手法「インスタレーション」。パノラマ映像と実際に水を張った水盤で、「水の教会」をリアルに再現。
このエリアで鑑賞できるインスタレーションは、安藤忠雄氏の初期代表作にして、教会三部作のひとつ「水の教会」。北海道の雄大な自然を背景として水上に十字架が浮かぶ情景が原寸大で映し出されます。

「安藤忠雄の現在」エリア。「つくる/育てる・都市ゲリラ2025・時間をつなぐ・37年目の直島・こども本の森・大阪から」の6つのテーマに沿って紹介。
二つめの「安藤忠雄の現在」エリアでは、近年手がけた作品と共に、今まさに進行中の仕事を6つのテーマに沿って紹介。80年代末に始まり最初期から今日まで建築家として関わり続けた「直島アートプロジェクト」、安藤忠雄の社会貢献活動を象徴する「こども本の森」、国内外の既成概念を打ち破る斬新な都市建築の数々......などが模型や映像で展示されます。

パリの中心、レアール近くにある2021年に開館した現代美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」の映像インスタレーション。
「安藤忠雄の現在」エリアで鑑賞できるインスタレーションは、安藤忠雄の建築を象徴する三作品「光の教会」「真駒内滝野霊園頭大仏」「ブルス・ドゥ・コメルス」。これらの建築が天井高15mのキューブ型スタジオの三面に映し出され、オリジナルの没入型映像で空間を丸ごと疑似体験できます。
展示は7月21日まで!見どころいっぱいの大阪へ

教会三部作のひとつであり、安藤忠雄建築の代表作のひとつでもある、大阪府茨木市の「光の教会」。
「安藤忠雄展|青春」は、2025年3月20日(木)〜7月21日(月)までの4か月間の開催。まだまだ進化を遂げるグラングリーン大阪も見もので、さらに4月13日からは大阪万博も!見どころ満載な大阪へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
安藤忠雄展|青春
会期:2025年3月20日(木)― 7月21日(月)
会場:VS.(グラングリーン大阪内)
休館日:毎週月曜日(月祝の場合は営業)
開館時間:10:00 - 18:00(金・土・祝前日は 20:00まで)※入場は閉館の30分前まで
料金: 一般 1800円、大学生 1500円、高校生 1000円
公式サイト:https://vsvs.jp/exhibitions/tadao-ando-youth
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※本記事中の全画像クレジット:(c)安藤忠雄展|青春 2025