【編集部のお出かけ】1万2000冊の本に囲まれた大人の秘密基地『箱根本箱』におこもりステイ
連休はどこかへ羽を伸ばしたくなるもの。とは言え、旅行疲れも気になります。そんなマチュア世代におすすめなのが、ブックホテル『箱根本箱』。自然派イタリアンと、全室温泉露天付きで、身も心も癒されながら、知的好奇心を満たす旅へ、いざ!
本を愛する人も、普段読まない人も。
新宿からロマンスカーで箱根まで。それからケーブルカーに乗り継いだ「中郷羅」から徒歩5分の場所にあるブックホテル『箱根本箱』。扉の先には、天井までぎっしりと本で埋め尽くされたロビーがお出迎え。1万2,000冊を超える多様なジャンルの本に圧倒されつつチェックイン。
本を読むスペースはそこかしこに。ロビー横の『ミナ ぺルホネン』のチェアや廊下、そして本棚の中にも!まるで秘密基地のように、自分だけの空間で読書に没頭することができます。気になった本はお部屋に持ち帰って読んだり、購入することも可能です。
温泉露天が全室に!
全室に温泉露天風呂を完備した客室には、各部屋に異なるインテリアと各界の著名人が選書した「あの人の本箱」が設置されています。
読書の合間にのんびりと温泉で一休みしたり、お気に入りの本を持ち帰ってベッドで寝そべりながら読んでみたり。流れる時間がゆっくり、感じるよう。B1Fには源泉かけ流しの大浴場もあり、乳白色の硫黄泉と無⾊透明の美肌の湯、2つの泉質をのんびりと楽しむことができました。
B1Fには「本箱シアター」と名付けられたシアタールームが。毎⽉異なるテーマのショートフィルムが繰り返し上映されています。この日は北欧をテーマにした作品が上映されていました。
箱根ならでは、ローカルガストロノミーに舌鼓
読書と同じくらい楽しみにしていたのが、生産者の想いが詰まった箱根の食材をふんだんに使ったローカルガストロノミー。箱根を中心に神奈川県内外、駿河湾などから集めた厳選食材が、独創的な一皿となって運ばれてきます。
個室もありますが、おすすめはカウンター席。ぐるりとオープンキッチンを囲むようにできていて、次の一皿が生まれていく様子を眺めることができます。
その時々で異なるコースは、どの一皿も素材そのものを大事にしていることが伝わるお料理ばかり。使われている食材の中には聞きなれないものも多く、「どんな一皿が来るんだろうか……」と想像力を掻き立てられました。
小麦の香りに思わず笑みがこぼれてしまったのは、『ブーランジェリーヤマシタ』の天然酵母パン。『箱根本箱』専用に作っているものなんだそう。
食材が生まれた環境や土地の風土や歴史に想いを馳せながら味わいました。
ついつい夜更かしして読書に耽ってしまい、眠い目を擦りながら朝食へ。人参と林檎のすりおろしジュースの美味しさに目が覚め、再びチェックアウトギリギリの時間まで本の世界へ……。
暮らすようにくつろげるとは聞いていたものの、実際に宿泊してみると想像以上の居心地の良さでした。梅雨時期も天候に左右されず思う存分、自分時間に没頭できるので、次は連泊したいと思います!
箱根本箱
住:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320−491
電:0460-83-8025
http://hakonehonbako.com/
写真・文/久保田千晴