初めての料理、土地の人との交流、心動く景色……。旅でしか得られない体験はいくつも。「そろそろどこかへ 」。そんなあなたを刺激する「あの旅 」を写真とともにシェアしてくれました。
華雪さん/かせつ
書家
幼い頃から書と篆刻に勤しみ、文字そのものと深く向き合う姿勢を貫きながら、活動を続ける。今秋には新潟で久々の個展も控える。
新潟県/新潟市
導かれるように訪れた新潟であのときと同じ安吾の空と巡り合う
かつて知人から「あなたは巡り鳥」と予言された通り、同じ土地を巡る人生が今、あるように思います。大切な土地の一つが新潟。
初めて訪れたとき、曇天が低く遠く広がる空が印象的で、ふと坂口安吾の「空が落ちてくる」の一節が蘇り、実際に、彼が新潟の生まれであることに気づき、感動したものでした。その後、19年にわたって毎年のように展示をし、たくさんの仲間に恵まれた新潟はもはや第二の故郷。今秋の再訪が今から楽しみです。
『クウネル』2022年11月号掲載
取材・文/阿部里歩、田代 格、友永文博、船山直子、石毛幸子