日本の洋食文化を牽引してきた老舗レストラン『資生堂パーラー 銀座本店レストラン』。真っ白なテーブルクロス、ピカピカの銀のカトラリー、ポットに入ったカレー……。一度は食べてみたいクラシカルなカレーライスです。
艶やかな茶褐色のカレーソースは、見た目通りコクがありスパイシー。まさしく〝大人のカレー〟です。ビーフカレーライスは、昭和3年のオープン当時からの伝統メニューで、3日かけて作るカレーソースのレシピは当時のまま。
まずは玉ねぎ、にんにく、生姜をそれぞれラードでじっくり揚げて香りをつけ、そのラードで小麦粉とカレー粉を炒め合わせます。温度に細心の注意を払いながら、ルウを仕上げて寝かせること1日以上。そこにローストした鶏ガラ、ブイヨン、香味野菜とりんごを加えて煮込み、裏ごしして出来上がり。牛肉は飛騨牛のウデ肉を塊で、鶏ガラと野菜もすべて国産素材にこだわり、伝統の味を受け継いでいます。
『ku:nel』2019年7月号掲載
写真 キッチンミノル/取材・文 和田紀子