日本ではすっかりおなじみの甘くて香り高い洋梨ラ・フランスですが、意外にもフランスでは売っていないってご存知でした?フランスの名を冠しているのに!日本にあってフランスにないもの、そのまた逆のフランスにあって日本にないもの、他にもいろいろあるそうです。<クウネル・サロン>プレミアムメンバーの松永加奈さんにレポートしていただきます。
天候が不安定で暖かい日が増え、少しだけ春の気配がしてきました。マルシェにも春の食材がちらほら。農業大国フランスは、野菜や肉、乳製品などの種類が豊富です。ただ、日本で日常的に使っていた食材が見当たらず、季節が変わるたびに「ああ、日本の旬の味が恋しい…」と、ついポロリ。魚の種類が違うことは想定していましたが、よく使う野菜の種類にも食文化の違いを感じます。
「フランスにはない日本でおなじみの野菜」というと、在仏日本人の間でよく話題になるのが「さつまいも」。フランスには「Patate Douce」というさつまいもがありますが、固くて甘さがなく、水分多め。焼く、蒸すには不向きで、ピュレやスープに使います。そして和食に欠かせない「長芋」「里芋」「ごぼう」「れんこん」といった根菜類。ヨーロッパといえば「西洋ゴボウ」がありますが、こちらも味と香りは日本の「ごぼう」とは別物です。ハーブ類は多いのに、香味野菜の「大葉」「茗荷」「春菊」がないのも残念。これらは日系やアジア系スーパーへ行けば大体手に入りますが、フランス人にとっては「外国の野菜」の位置づけのようです。さらにフルーツですが、なんと洋梨「ラ・フランス」は、フランスには存在しません!その名の通りフランス原産、でも現在生産されているのは世界中で日本だけだそう。「ラ・フランス」なのに…。
一方「日本にはないフランスでおなじみの野菜」もいろいろとあります。私がこちらで初めて見たのは「パネ」。白い人参のような根菜で甘みがあり、少しねっとりした食感が特徴です。そろそろ出始めた「ホワイトアスパラ」はフランス人が大好きな食材。日本でも生産されていますが、あまり身近な存在ではないですよね。また、「アーティチョーク」「フヌイユ(ういきょう)」「セロリラブ(根セロリ)」「アンディーブ(チコリ)」はスーパーにいつでもスタンバイ。日本では生食のイメージがあるアンディーブ、こちらでは煮たり焼いたり炒めたり…の万能選手として活躍しています。
パリ生活を始めた頃は、食材をビジュアルだけで判断し、「見たことある!」と喜び勇んで買ったものの、調理しながら「おや?」と眉間にシワを寄せることが多々ありました(今でもありますが…)。そんな体験の中で「食べてみたらおいしかった」という出会いがあるのも、外国暮らしの面白さかなと思います。日本食材がフランス料理に生まれ変わったり、その逆もしかり。野菜以外の食材も写真でご紹介していますので、未体験のものは「どんな味かな?」とぜひ想像しながらご覧ください。
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