クリスマスからお正月にかけて、「ちょっとご馳走を」という機会が増えます。外出を控えている今年はなおのこと、おうちのごはんを充実させたいものですね。コウケンテツさんにワインに合うビストロメニューを教えていただきました。
「お酒、大好きなんですよ。ビールも好きだけど、ワインももちろん。特に泡、スパークリングワイン! 最近のお気に入りは、ヴィーニョヴェルデという、赤でも白でもない緑の微発泡ワイン。仕事で訪れたポルトガルでいろいろ飲んで、そのさわやかな口当たりにはまってしまいました」
家でもほぼ、毎日晩酌。一日の終わりに家族と食卓を囲み、みんなでつくった料理をつまみに、ゆったりとろりとお酒を飲む時間は至福のひととき。ハードワークをこなすコウさんの元気の糧です。
そんなお酒好きのコウさんにワインに合うビストロメニューを考えていただきました。前菜は華やかな雰囲気に。そしてメインは、素材の旨みを存分に楽しめる、ボリューム満点の直球メニューとなりました。
「僕が思うビストロメニューは、塩だけのシンプルな味付けのもの。それに、ちょっとこしょうを挽いたり、マスタードを付けたり。それくらいのまっすぐな感じがいいと思うんですよね」
牛すね肉と冬野菜のスープ
白い冬の野菜がゴロゴロ入ったスープ。じっくり煮込んだ牛すね肉は柔らかく、ホロホロと口の中でとろけます。肉と野菜の旨みや甘味を堪能するために味付けはシンプルに潔く。
■材料(3~4人分)
牛すね肉(かたまり)…500g
れんこん…200g
カリフラワー…1/2株
セロリ…1本
塩…適宜
A 黒粒こしょう…10粒
ねぎの青い部分…1本分
にんにく…1かけ
塩…小さじ1
酒…1/2カップ
ローリエ…適宜
■作り方
1)牛すね肉はいったんゆでこぼす。れんこんは皮をむき食べやすく切る。
カリフラワーは大きめの小房に分ける。セロリは筋を取り7〜8㎝長さに切る。
2)鍋に牛肉を入れ、Aとたっぷりの水を加えて火にかける。煮立ったらアクを丁寧に取り除きながらゆらゆらと水面がゆれる程度の火加減で1時間ほどゆでる(途中水面から肉が出ないように水を足す)。れんこん、セロリを加えて5分ほど煮て、カリフラワーを加えてさらに2〜3分煮る。好みで塩を加える。
3)牛肉は取り出して繊維を断ち切るように切り、野菜とともに器に盛る。
こうけんてつ
料理家。大阪府出身。旬の素材を生かした簡単でヘルシーなメニューを提案し、テレビや雑誌、講演会など多方面で活躍。プライベートでは3児の父親として日々子育てに奮闘中。親子の食育、男性の家事・育児参加、食を通してのコミュニケーションを広げる活動に力を入れている。著書は、「おやつめし」(クレヨンハウス)、「だけ弁当」(扶桑社社)など。
★インスタグラム@kohkentetsu
『ku:nel』2017年1月号掲載
写真 松村隆史/スタイリング 大谷優依/取材・文 鈴木麻子