【私の東京の味】藤井かほりさんが教えてくれたオーガニックベースのレストラン3軒(前編)

「私にとって東京の味は、ビジュアル的に美しく、おいしく、お店の人の志が高いことでしょうか。自分がお店を経営してみて、尊敬できる店主に出会うと、ほんとうにうれしくて、自分もそうなりたいと願いますね」

モデル、俳優としての美意識と、飲食店の経営者としての顔を持つ藤井かほりさんがセレクトした東京の味は、オーガニックベースの身体にやさしい料理が食べられるお店でした。

1軒目の『85BAL TEPPEN』は、藤井さん夫妻のお店と同じエリアにあります。

「私はワインが好きでソムリエの仕事もしていますが、こちらのワインの品揃えは理想的。ナチュールワインが多くて、安心して飲めます。料理は何を食べても間違いないおいしさです。私は肉も好きで、熟成したグラスフェッドビーフ(牧草牛)のステーキも、よそでは食べられない肉そのものの旨みを感じます。インスタグラムのストーリーで本日のおすすめが紹介されるので、こちらも楽しみ。時間の都合でふだんはランチタイムにうかがいますが、おすすめはミニカレーのトッピング。ランチのごはんを半分残しておいてカレーをかけてシメます!」

『85BAL TEPPEN』宝物のような食材と対峙して、 身体にやさしくおいしい料理。

〈北海道日高の熟成蝦夷鹿ランプ56℃で火入れ〉200g、3,850円。鹿肉にオーストラリア産のオレンジワインが合う。

〈季節野菜のスーパーフードサラダ 自家製甘酒ドレッシング〉¥1,650

店主の舟木雅彦さんは、栄養学にも造詣が深く、産地との交流も盛んだ。

謎めいた「85」という数字は、番地かオープン年だろうと予想していたら、「発酵」の意味を込めて名づけた店名だそう。夜の1皿めにおすすめなのが、季節野菜のスーパーフードサラダ。30種類以上の野菜やひじき、キヌアなどを盛りつけてあり、食べると身体が深呼吸して肌がきれいになりそうです。肉はストレスのない環境で育つものを仕入れ、熟成させて旨みを誘い出します。ワインはナチュールが中心で、つきだしの自家製米粉パンは絹のようにきめ細かくなめらか。

「気にいるものがなくて、自分で作りました」という店主の舟木雅彦さんは、生産者の顔が見える“食財”と向き合い、「身体が喜ぶ料理とワイン」で今宵ももてなしてくれます。

15周年を記念して常連客が壁面にメッセージを書いた。客席は17席。

85BAL TEPPEN(はっこうバルてっぺん)

住:世田谷区三軒茶屋1-33-16 ニューヴィラ三軒茶屋201
営:12:00~15:00(14:00L.O.) 18:00~23:00(22:00L.O.)
休:日、ランチ木休、ディナーは不定休
予:予約が望ましい

PROFILE

藤井かほり/ふじい・かほり

多摩美術大学在学中にモデルにスカウトされ、CM、雑誌、TV、
映画、舞台等で活躍。モロッコレストランDar Roiseau(三軒茶屋)を夫婦で経営。

『クウネル』2024年 5月号掲載 写真/木寺紀雄、取材・文/田村幸子

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『クウネル』No.126掲載

私の好きな東京

  • 発売日 : 2024年3月29日
  • 価格 : 1000円 (税込)

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