パンの街・神戸で愛され続ける「老舗パン屋」3店とは?旅で味わいたい絶品モーニングもご紹介

神戸に9年間住んでいたというプレミアム・メンバーの松永加奈さん。おいしいものと素敵なものが集まり、海も山もあって、ちょうどいいサイズ感の港町の神戸。元地元民の松永さんにとって「外せない定番スポット」と注目の新アドレスを紹介してくれました。

岡本エリアでおいしい珈琲のモーニング

朝は『珈琲春秋Kobe』のモーニングをめざして岡本へ。阪急岡本駅から続く石畳にカフェや雑貨店が並ぶこのエリアは、2つの大学を有する学生街。実は、かつてこの付近に住んでいたので、石畳を見ると「ああ帰ってきたー」と懐かしくなる場所でもあります。

入り口にのれんが下がる『珈琲春秋Kobe 岡本本店』。創業約20年と、老舗の喫茶店が多い神戸では比較的新しいお店です。

2階建てのお店の中は、味わいのある喫茶店の雰囲気がたっぷり。しっかりとした木の造りはほの暗く、ほっと落ち着きます。当初は香り高い珈琲目当てで通っていましたが、あるとき旅行に来た友人とモーニングを食べに行ってみたところ、これが大当たり。トーストやサンドイッチのほか、ワッフルセットもあり、大人の朝ごはんにちょうどいいボリュームで、もちろんおいしい!以来、足を運んだり、神戸を訪れる人におすすめしています。

1階の席で、この日はサンドイッチの「モーニング」(650円)をチョイス。挽き立ての豆の香りが漂う「春秋ブレンド」とともに…うーん、落ち着く。

テーブル席が並ぶ2階席。11時半までのモーニング、その後のランチへとどんどん人が増えていく人気店です。

珈琲春秋Kobe 岡本本店

住:神戸市東灘区岡本1-6-12有本ビル
公式ホームページ

老舗ベーカリーでビスケットとクリスマスのお菓子を

同じく岡本エリアにある、1932年創業の老舗ベーカリー『フロイン堂』。ドイツ式の窯で焼き上げられる食パンには地元のみならず、遠方から通うファンも多い名店です。

引き戸の素朴な店構えが昔ながらを感じさせる、ベーカリー『フロイン堂』。お店は創業91年。戦争も震災も乗り越えてきた窯で、今日もパンが焼き上げられています。

フロイン堂』のパンは、御年91歳の二代目店主とその息子さん(三代目)による手ごねで作られています。食パンはトーストすればサクッと香ばしく小麦が香り、カンパーニュは味わい深く…と、どれも名品なのですが、パンはどれも当日予約でほぼ売り切れてしまう人気ぶり。今回は、食パンの焼き上がり時間にピックアップができないため、朝1番でお菓子を予約して、モーニングの後にいそいそとお店へ。大好きなビスケットと、この時期限定のシュトーレンを購入しました。

パンだけでなく、レンガの窯で焼き上げられるビスケットやバターケーキも絶品。ビスケットはバターの風味とサクサク感が大好きで、海外在住時にも持ち帰って大切に食べていました。

シュトーレン(左)はこの時期だけの限定発売。四角く高さがあり、フルーツぎっしりでずしっと重く、そして最高においしいのです。ビスケットは食べるとなくなってしまうので(当たり前ですが)、ちょっとずついただいています…。

フロイン堂

住:神戸市東灘区岡本1-11-23
公式インスタグラム

地下街のふわふわパンと、神戸っ子に愛されるチョコパン

パン屋さんがたくさんある神戸。決まったお店に通う人もいれば、「バゲットはあそこで」「お総菜パンはここで」と使い分ける人も。私はいくつかお気に入りがあり、今は神戸滞在中にタイミングよく行かれるお店を訪ねています。先日は通りがかった2カ所で、おやつ用と食事用を買いました。

神戸市内に8店舗を展開するベーカリー『KÖLN(ケルン)』。食パンから菓子パンまで幅広い品ぞろえで、親子三代で食べているという神戸っ子も多い、創業1946年の老舗です。

KÖLN(ケルン)』といえば「チョコッペ」!というくらいの看板商品。ソフトフランスの中にミルクチョコレートがたっぷり。白い帯が巻かれたビジュアルの素朴なかわいらしさもポイント。左はピーナツバターが入った「バタッペ」。

まずは『KÖLN(ケルン)』で「チョコッペ」を。ソフトフランス×チョコレートクリームという形状に「チョコレートのパンといえばやわらかい生地に包まれたもの」と思っていた私の概念が一変。そして「チョコレートクリームうま!ソフトフランスに合う!」とびっくりしたのが20年以上前のこと。登場してから50年近く、神戸っ子(と私)に愛されまくっている「チョコッペ」は、今もお店の1番人気だそうです。

KÖLN(ケルン)

公式ホームページ
※御影本店、三宮店ほか神戸市内にの8店舗で営業中

石臼で挽いた国産小麦粉を使い、低温熟成長時間発酵などのこだわりの製法を取り入れて作られている『ハウネベーヤー』のパン。こちらのパンのやわらかさは衝撃的、といっても過言ではないかと。私の推し「玄米パン」「十五穀米パン」のふわふわもっちり感を超えるパンには、他ではまだ出会えていません。駅の地下街にある「さんちか店」は、ほかほかの焼き立てに遭遇する確率が高く、そんな時はなるべく早めに(食べられる)環境を整えて、あたたかいうちに口へ運ぶのが私のセオリーです。

チーズブレッドや食パンも人気の『ハウネベーヤー』。この時はちょうどお昼で、パンがどんどん追加されるタイミングでした。

コクと香ばしさのある「玄米パン」(左上)と国産米粉を使用した「十五穀米パン」(右上)は、どちらもしっとりもっちり、ふわっふわ。リベイクしても美味です。下は、ソテーしたコーンがぎゅうぎゅうに詰まった「じゅわっとバターコーンパン」。

焼き立てやサンドイッチなどが味わえるカフェがベーカリーの隣にオープン。次回はぜひともこちらでいただきたいと思います。

ハウネベーヤー さんちか店

住:神戸市中央区三宮町1丁目10-1 さんちか7番街スイーツメイト
公式ホームページ

マイ定番に加えたい国内外の素敵なセレクトアイテム

フラッグが目印のセレクトショップ『haus』。神戸を離れて10数年で栄町のお店もずいぶんと入れ替わりましたが、こちらは変わらぬ佇まい。

セレクトショップ『haus』は、レトロビルや個性的なお店が連なる栄町のランドマーク的な存在。洋服や靴、バッグなど、国内外から集められた流行にとらわれないデザインと質の良いプロダクトは、マイ定番に加えたくなるものばかりです。すっきりと整えられたお店の中にいると、センスの良い洋服好きな人のお部屋にいるような気分に。そして、じっくりと選んだアイテムを身に着けながら、何年経ってもそこに「素敵」を感じています。

お店のコンセプトは「上質な日常着」。シンプルなデザインにも何か心惹かれるものがあり、手に取ると、その理由が分かります。

流行を気にせず長く愛用できるアイテムが揃い、いつ行っても安心感があるのが魅力だなと思います。

haus』の近くにある系列店の『Atelier d’antan』には、洋服のほかオリジナルのジュエリーも。フランスっぽい雰囲気の店内に、心ときめきます。ご近所なので、2店をハシゴもおすすめ。

haus

住:神戸市中央区海岸通 1-2-15
公式ホームページ

あたたかい空間で軽やかに味わうフレンチの新アドレス

ときどきは新しいお店もチェック。今回は、3年前に御影にオープンしたフレンチレストラン『メゾン・ド・レキュ』へ。アンティークの設えやお皿はパリのレストランを思い出す雰囲気。コースには丹波篠山の無農薬野菜や明石の海鮮、静岡の本州鹿など、オーナーシェフの有村さん選りすぐりの素材がふんだんに使われ、多彩な和の食材がぴたりと融合して見事なフレンチに昇華。すべてのうまみが生かされたお皿はどれも軽やかで、明るくあたたかいおもてなしとともに、心地よい満足感に浸りました。私の神戸マップの「お気に入りのお店」に追加決定です。

目を引く盛り付けにわくわくする「明石タコ 焼きナスと和梨」。個性がまったく違う素材が1つにまとまり、初めて出会うおいしさでした。

「ハリイカとブラウンマッシュルームのリゾット」ブラウンマッシュルームに散りばめられているのは、カラスミかと思いきや、卵黄の塩漬け。下に隠れたイカ墨のリゾットとともに(おいしくてあっという間に食べ終わってしまいました…)。

明石産天然真鯛のポワレは、絶妙に火入れされた身のしっとり感とパリパリの皮もごちそう。そしてこのハーブとクリームのソースが絶品でした。

本州鹿のローストは2つの部位を。鹿肉の適度なしまりと赤みのうまみを堪能しました。付け合わせは、北海道のみで栽培されるというほくほく甘い月光百合根。

メゾン・ド・レキュ

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