肉も調味料も絶品。ウー・ウェンさんがリピート買いする「京都の美味しい食材」5選
食の宝庫・京都の味を連れて帰れば、いつもの食卓が進化すること間違いなし。今回は、京都に足繁く通う料理家・ウー・ウェンさんに、いつもリピートしている京都の美味しいものを教えてもらいました。
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PROFILE
ウー・ウェン/うー・うぇん
料理家。ウー・ウェンクッキングサロン主宰。医食同源に根差す中国料理や中国の食文化を伝える。『ウー・ウェンの煮ものあえもの』(高橋書店)など著書多数。
シンプル料理が決まる京都の味
月に一度、割烹料理店の料理教室に通い、かなり頻繁に京都を訪れているウー・ウェンさん。30数年前、中国から日本に移り住んできた当初から、足繁く通っているという生粋の京都ラバーです。いまでは、あちこち観光するというよりは、暮らすように京都を楽しんでいるそう。
「食材を溜め込むのが好きではないので、我が家の冷蔵庫はいつもほとんど空っぽなのですが、京都に行った後は別。調味料や野菜、お肉などたくさん買い、京の食材で満たされます」
京都の食材はストレートな美味しさで溢れ、凝ったことをしなくても美味しい一品ができてしまう魅力があるといいます。もともとシンプルな料理を身上とするウー・ウェンさんですが、京食材を使うとますます簡潔に。
「素材それぞれに軸を感じられるのです。その力強い味にはいつも驚かされ、癒されます。今回セレクトしたのは、長年の京都通いでたどり着いた美味しいものばかりです」
『賀茂とうふ 近喜』の豆腐類
『賀茂とうふ 近喜』は、四条木屋町の老舗豆腐店。国産丸大豆にこだわった豆腐は大豆そのものの甘みや香りが楽しめます。
「京都の豆腐を代表する味だと思います。お揚げはフライパンでさっと焼いて、おろし生姜と醤油をかけるだけでごちそうに。湯葉は本わさびを添えると懐石料理の一品のようになります」
『田中長奈良漬店』の〈奈良漬(すいか・うり)〉
味りんの風味を生かした独自手法の都錦味淋漬を200年以上販売する老舗『田中長奈良漬店』。すべての工程に2年ほどかけ、何度も漬けかえられる奈良漬は、シャキシャキとした歯ごたえ、豊かでまろやかな香りが魅力。
「特にすいかが好物です。炊き立てのごはんにはもちろん、おかゆに合わせても絶品」
『祇園むら田』の〈煎り白ごま〉と〈練り白ごま〉
和食割烹の材料を有名料亭や料理店、ホテルなどに卸す『祇園むら田』では、一般購入もできます。特にごまが名物で、ウー・ウェンさんも白と黒どちらも愛用中。
「こんなに香りがいいのに、お手頃でコストパフォーマンスがいいと思います。白の練りごまも最高の風味、様々な料理に使っています」
『とり安』の〈水炊き用鶏肉&水炊き用のスープのセット〉
鮮度の高い若鶏を料理に応じて「切り売り」する、明治期から続く老舗『とり安』。水炊き用には山椒を振って提供。井戸水で炊くという鶏がらスープは、一気に入れずに、味を見ながら調整するのがおすすめ。
「きれいなお肉を竹皮に包んでもらう時から、美味しい時間が始まります」
『酬恩庵一休寺』の〈一休寺納豆〉
酬恩庵(一休寺)の住職が代々、寺の境内で自家醸造してきた発酵食品。蒸した大豆と麹などを発酵させ、一年間天日干しという手間暇かかった逸品。
「中国の発酵調味料・豆鼓に似ていて、同じように炒め物に使ったり、たれのアレンジにしたり活用しています。麻婆豆腐に入れると絶品ですよ」
『クウネル』11月号掲載
写真/石川奈都子(取材・食材)、柳原久子 (食材)、取材・文/野崎 泉、鈴木麻子
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『クウネル』No.123掲載
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