元気の源はわがままに楽しむ食にあり!料理の頼もしい味方「基本スープ」の作り方【伊藤千桃さん】

葉山に暮らし、ケータリングなどを手掛ける伊藤千桃さんの「ある日の朝食」と「基本のスープ」の作り方とは?身近にある自然の恵みを生かして、自分の手でなんでも 作ってしまう伊藤千桃さんのごはんには、 保存食の知恵やユニークなアイデアが詰まっています。

PROFILE

伊藤千桃/いとうちもも

1950年インドネシアのジャカルタ生まれ。「桃花源」の屋号で、神奈川県・葉山でケータリングや民泊を手がける。地野菜を使った料理だけでなく、慎ましくも豊かなライフスタイルが注目を集める。

伊藤千桃さんの動画を公開。クウネル公式YouTubeチャンネルからご覧ください。

伊藤さんの「ある日の朝食」

朝からたくさん食べる伊藤さん。季節の野菜や彩りのある食材をバランスよく。ときには和食と洋食と2回食べることもあるそう。

3.「キャロットラペ」

細く千切りにしたにんじんをオリーブオイルで軽く炒めて、塩、コショウで味を調える。仕上げに夏みかんをしぼって、味を引き締める。冷蔵庫にいつも作り置きしている副菜のひと品。

4.「しょうがみそ」

根しょうがで作るジンジャーシロップ。その絞りかす(35g)にみそ(150g)、きび砂糖(大さじ4)、酒とみりん(各大さじ1)、すりごま(大さじ2)をまぜて、弱火にかける。かきまぜながら、なめらかになるまで煮込む。火を止めてから、ごま油(大さじ2)を加える。

1.「自家製フォッカチャ」

薄力粉と強力粉(各250g)に砂糖(大さじ2)、塩とイースト(各小さじ2)、水(300g)、オリーブオイル(30g)をボウルで10~15分こねる。30~40分発酵し、ガス抜き。20分ベンチタイム後、生地をのばして2次発酵。オリーブオイルと岩塩をかけ、230℃のオーブンで10分焼く。

2.「野菜スープ&湯で鶏」

基本スープ(作り方は後述)から、具だくさんに盛りつけた野菜スープ。コクを加えるために一緒に茹でて途中で取り出した鶏肉も、ヘルシーなひと品に。好みで自家製スィートチリソースをかけて。

娘と孫との3人暮らし。とはいえ、食事は別々。伊藤さんは、ひとりのごはん時間をこよなく楽しんでいます。

「ひとりのほうが断然ラク。自分が食べたいときに、食べたいものを作って食べます。夜は、お酒を片手にキッチンに立つこともありますね。誰に気兼ねするわけでもなし。気楽でしょ」

毎朝5時に起きて庭仕事をするのが日課。ケータリングの助っ人として冴香さんをサポートする日は2時、3時から仕事にかかるそう。ほかにもワークショップを開催したり、インドネシア語を習ったりと、忙しくも充実した毎日を支えるのは、3食、しかもしっかり量を食べることだといいます。

「『ばあばが、いちばんよく食べるよね』と孫にも呆れられるほど、ひとりでもたくさん食べます。だって、おなかが空くんですよ」と少し恥ずかしそうにぽつり。そんな伊藤さんの食事に欠かせないのが、作り置きのスープ、そして自慢の保存食の数々です。

まずはさまざまな料理に展開できる”基本スープ”を作る

「スープは、くず野菜が出たときにたっぷり作っておきます。甘みが出るので玉ねぎの皮はマスト、あとはキャベツの芯やセロリの葉……そのときにあるものをなんでも。メニューは野菜が中心ですが、それだけだと私は物足りないのでなにかしら肉か魚を足すようにしています。お肉、大好きなんです」

溌剌と毎日を過ごす元気の源は、わがままに楽しむ食にあり。

「基本スープ」の作り方

数種類の野菜が醸し出す深みのあるハーモニー。そのまま食べるだけでなく自由な発想でアレンジをきかせて、いつもの料理をひと味違ったものに。

◎材料(2人分)

水500ml、玉ねぎ1個、じゃがいも2〜3個、にんじん1本、セロリ等の葉部分、キャベツの芯などの残り野菜、ローリエ数枚、白ワインor日本酒適宜、塩コショウ、鶏肉(好みで)

◎作り方

1.玉ねぎの皮を中心にクズ野菜でスープを作る。

2.そのスープに玉ねぎ、じゃがいも、にんじんなど好みの野菜、ローリエ、白ワインまたは日本酒などを入れ、数日かけて煮る。途中で塩、コショウを足して味見をする。 また、鶏の胸肉など入れ、途中で取り出しサラダなどにしても。

Rank Up Point:「余すことなく使う」

捨ててしまいがちな野菜の皮や芯の部分が、じっくり煮込むことでおいしいスープに変身。

基本スープをベースに展開するアレンジ料理

油揚げの味噌汁

具はにんじんや大根などありあわせの野菜を足してもOK。野菜ベースのスープがいつもの味噌汁の味に奥行を与える。

◎材料(2人分)

基本スープ400ml、みそ大さじ2、油揚げ1/4枚、昆布と削り節の出汁1/2カップ

◎作り方

1.小鍋に基本スープを入れて火にかけ、油揚げなど好みの具を入れる。

2.昆布と削り節の出汁を足す。

3.味噌を入れて、味を調える。

Rank Up Point:「和風だしで味変」

昆布と削り節で取っただしを加えることで、洋風と思いきや和風味にもアレンジが可能。

エビと貝柱のリゾット

◎材料(2人分)

基本スープ3カップ、米1合、オリーブオイル大さじ2、ローリエ2枚、白ワイン大さじ1〜2、バター20g、パルミジャーノレッジャーノ適宜 、塩、コショウ少々、えび、干し貝柱各適量

◎作り方

1.米は洗わず、オリーブオイルで透き通ってくるぐらいまで炒める。

2.温めた基本スープを少しずつ入れて、ローリエと白ワイン、貝柱の戻し汁と貝柱を入れ、お米が被るくらいまでスープを足しながら、弱火で約20分炊く。最後にえびを入れる。

3.火を止めたら、バターとパルミジャーノレッジャーノをすりおろさずに入れて、余熱で溶かす。仕上げに塩とコショウで味を調える。

Rank Up Point:「貝柱の戻し汁も加える」

干し貝柱の戻し汁は旨みが凝縮した格好のだし。基本スープにコクをプラスしてくれる。

「キッチンに立つたびに火入れをしながら煮込んだスープを、私は鍋ごと冷蔵庫に入れてしまいます。粗熱をとるとき、キャンプなどで使う板状の保冷剤の上に乗せると、案外効率よく冷ますことができますよ」

冷蔵庫の中には、伊藤さんのスープ鍋と、冴香さんがやはりくず野菜から作ったスープ(こちらは保存容器入り)が並ぶこともしばしば。スープは温めてそのまま食卓に並ぶこともあれば、ときに和風にアレンジしたり、味のベースとして使うことも。一度にたっぷりつくって、その都度さまざまに展開する。ふだんの料理の頼もしい味方となりそうです。

「娘はこのスープをベースにカレーをつくったりしていますね。カレーを食べた孫が『お、これは昨日のスープが素だね』なんて言うのを聞くと、このスープは、〝伊藤家のだし〟といえる存在なのかもと思います」

『クウネル』2023年7月号掲載
写真/目黒智子、取材・文/河合映江、編集/黒澤弥生

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この記事の
プレミアムメンバー

伊藤千桃

1950年ジャカルタ生まれ。インドネシアと日本のダブル。「桃花源」の屋号で、神奈川県・葉山の自宅をベースにお弁当ケータリング、バーベキューサービス、民泊などを行う。著書に『千桃流・暮らしの知恵』(主婦の友社)が。
Instagram:@toukagenhayama

『クウネル』No.121掲載

料理好きな人のいつものごはん

  • 発売日 : 2023年5月19日
  • 価格 : 980円 (税込)

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