美しいボタンジュエリーを制作し、世界からも注目を集めるアーティスト・片山優子さん。アーティスト活動の前は、スタイリストとして約40年間ファッションの世界で活躍していました。
ベーシックながらも、ちょっぴり個性的な小物使いで自分らしさを表現したスタイルが人気です。今回は片山さんが愛するファッションアイテムたちから、片山さんのおしゃれのコツを紐解きます。
片山優子/かたやまゆうこ
ボタンを用いて、想像を超えるコンテンポラリーアートジュエリーを制作するアーティスト。さまざまな年代と背景のボタンを用い、新たに愛と想いを吹き込むことで力強くも美しい作品を生み出す。CHANEL「ベストサヴォアフェール」にも選ばれた経歴を持ち、国内外でも注目を集めて幅広く活動している。
Instagram:@yuukokatayama
自身のボタンジュエリーを引き立てる、一見ベーシックなアイテム。よく見るとひねりの効いたデザインが採用されていて、気取らずに個性を表現している片山さん。今回は、片山さんがついつい買い集めてしまう、愛してやまない偏愛アイテムについて伺いました。
アーティスト・片山優子さんのデニムスタイルを紹介した記事はこちら
●片山優子さんの偏愛アイテム #01
海外で購入したメガネ
片山さんのアイコンであるメガネ。パリやイタリアなどの海外で購入したという『グッチ』や『サンローラン』、『ミュウミュウ』などハイブランドのものを多く所有。
元サングラスだったものを、日本に持ち帰りレンズを遠近両用に入れ替えて普段使いしています。
「一番のお気に入りは、パリの『シャネル』で買った丸メガネ。元々サングラスだったので、 レンズを入れるのに苦労しました。その隣にある、私と同じくらいの年齢のセルロイドのヴィンテージメガネもお気に入り。テンプルの部分に何にも針金が入っていない珍しいものです」
●片山優子さんの偏愛アイテム #03
気楽に履けて疲れにくいスニーカー
片山さんらしいラフなデニムスタイルの仕上げには、ちょっぴりアクセントのある個性派スニーカーが欠かせない。
「普段長時間座ってボタン作品を制作してるので、腰を痛めないようにスニーカーばかり履いています」
また、ワンピーススタイルなどのおめかしシーンには、『マルジェラ』の足袋ブーツを。パリで買ったという、通常のものより少しヒールが低めなものを愛用中です。
こちらで着用しているワンピースは、片山さんのボタン作品を特殊なプリント技術でTシャツやワンピースに表現したブランド『アバウトボタン』のもの。
「ボタン作品が手元から離れていく淋しさを感じていた私ですが、作品がプリントされたファッションアイテムが新しく生まれました。 身につけるアートとして、また多くの方に届けられるのでは、と嬉しく思います」
●片山優子さんの偏愛アイテム #04
エレガントで個性的な帽子
メガネと同じように、海外でも気になる帽子を見つけたら思わず持ち帰らずにはいられないという帽子フリークの片山さん。昔から変わらずに好きなブランドは、イタリアの『ボルサリーノ』。また国内セレクトショップやギャラリーで作家さんものも欠かさずチェック。
「今は、遠矢羊子さんの帽子が構築的でお気に入り。インテリアのなかで佇む帽子の姿を見ることも大好きです。あの場所に被って出かけたいなという気持ちが弾みます。夏の海の波の音が聞こえてくるような、想像の世界に連れて行ってくれます」
●片山優子さんの偏愛アイテム #04
オリジナルで仕立てた一点もの
シンプルなブラウスにボタンを刺してアレンジしたり、お気に入りのカーテン生地からオリジナルの洋服に仕立てることも。
それぞれのお洋服に込められた想いや背景を語る片山さんの姿は、とても輝いていました。
コーディネートに欠かせないデニムに加えて、片山スタイルのアイコンであるメガネや帽子、スニーカーなどの小物選びで、自分らしいスパイスを投入。さらに、気に入ったカーテン生地からオリジナルの洋服を仕立てるなど、とことん個性を追求したところが片山さんのおしゃれの秘訣なのでした。
アーティスト・片山優子さんにまつわる記事はこちら!
◎ スタイリストを経て、56歳でアーティストの道へ。ボタン作品を生み出す、片山優子さんのライフストーリー。(前編)
◎ 毎日12時間創作活動に励む。68歳のボタンアーティスト・片山優子さんの現在地。(後編)
◎ 肩肘張らない「60代の大人デニムスタイル」。シンプルに気取らず、自分らしいエッセンスを投入。
◎【大阪のお出かけスポット】箕面のセレクトショップ『about her.』 素敵なマチュア世代が集う、素敵なお店。
写真/近藤沙菜 取材・文/阿部里歩