好きな服を自由に着る。島田順子さんの一週間コーディネートを公開!
展示会のためパリから一時帰国した島田順子さん。東京でのONスタイルから館山での休日スタイルまで密着取材しました。
目 次
PROFILE
島田順子/しまだ・じゅんこ
1941年千葉県館山生まれ。1966年からフランス在住。1981年から『JUNKO SHIMADA』コレクションを発表するファッションデザイナー。近著に『島田順子 おしゃれも生き方もチャーミングな秘密』がある。
Monday「気軽にはおれるスエードのコートは、しょっちゅう着ています」
Tuesday & Wednesday「私服のように着こなしたいから、好きな形のなじむ服を」
展示会では、春夏の新作を自ら着用します。「今日は何を着ようかと考えて選ぶのではなくて、いちばん最初に目に入ったものを着る。展示会の会場でもそれは同じです」という島田さんが、数ある新作の中から手にしたのは、ネイビーのパイピングが入った1着。コットンのプルオーバーに紺色のワイドパンツで、大好きなマリンスタイルが完成です。
Thursday「春が来そうで嬉しいから、花のつぼみの刺繍をあしらいました 」
サマーウールのコートとスカートの端正なセットアップ。シックなグレーに花の刺繍で可憐な軽やかさが加わります。「お食事に行くときや、お呼ばれしたときは、相手の人にリスペクトして、普段とはちょっと違った服でおしゃれをしてみたくなるんじゃないかしら」。そんなときに着てほしいという、適度にきちんと感と華やかさのある服。
Friday「金ボタン付きのマリンテイストで、大好きな1着です」
久しぶりに地元・館山の海へ。そんな場所に似合うのは、金ボタンを配したダブルブレストのロングコート。「背が高くないから、あまり似合わないかもしれませんが、ロングコートって、素敵ですよね。脚もさりげなく隠してくれるし」。ウール混のクレープ素材だから、ロング丈でも重い印象にならずしなやかなシルエットで着こなせます。
Saturday「黒のワンピースなら、きちんとした印象になるから」
週末は館山の家の離れでお茶を点てていただきました。落ち感のあるニット素材で裾に向かって広がるワンピースで、「正座をしたときに膝が見えないように工夫しました。黒い服はあまり着ないのですが、相手の人に敬意を表して、今日は黒を選びました」。ボートネックと七分袖で、黒い服でも軽快な印象に。
Sunday「気楽に着られるから、この春、頻繁に愛用しそうです」
慌ただしかった一週間の締めくくりは、館山の別荘でのんびり過ごしました。「夏には水着の上からもザクッと着られる大きいセーター──そんなイメージを思い描いて作った」ローゲージの大ぶりニットは、お腹と腰回りも隠せて優秀。細身のパンツにシンプルに合わせるだけでも存在感が出せる、きれいな色のウェーブプリントもお気に入りの新作です。
自分が好きな服を気楽に着るのが、着こなす秘訣ね。
「今回、着たのは、どれも自然にサクッと着られる好きな服ばかりです。ちょっと気になるものを着てみようかしら、と袖を通すと気分が弾むし、いつも同じ服ばかりでマンネリスタイルにならないように、ときどき新しい服をワードローブに取り入れるのも新鮮なんじゃないかしら。
でも、いかにも〝ファッション・ファッション〟したものや〝頑張っておしゃれしました〟という服は疲れちゃうから、自分が気楽に着られるものがいいと思います。自分のことは誰よりも自分がいちばんよくわかっているのだから、理屈ではなくて感覚で自分がいいと思ったものがいちばん。それは、似合うというよりも、着こなせるということね。緊張せずに服を満喫できるというのかしら。やっぱり、ぎこちないということは素敵じゃないですからね。
新しい季節も新しい好きな服を取り入れて、おしゃれを楽しんでくださいね! 最近、スニーカーばかりの私も、春になったら久しぶりにハイヒールをはいて背筋を伸ばして、バチッと決めたいと思います」
『クウネル』3月号掲載 写真/目黒智子、取材・文/黒澤弥生、撮影協力/TRAYCLE MARKET & COFFEE
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『クウネル』No.125掲載
パリ・東京おしゃれスナップ191
- 発売日 : 2024年1月19日
- 価格 : 1000円 (税込)