お守りのようなアクセサリーを。世界中を旅したデザイナーが手がけるハンドメイドアクセサリーブランド『añil』

1965年生まれ、スペイン出身・東京在住のデザイナーEvaさんが立ち上げた、ハンドメイドアクセサリーブランド『añil（アニル）』。世界中を旅したEvaさんにとって所縁の地である、ミャンマーやタイ、インドなど世界各国からパーツを買い付け、1つずつ丁寧に手作りしています。素敵なアイテムとともに、ブランドが生まれた背景や想いをEvaさん母娘に伺いました。

アクセサリーブランド『añil』が生まれるまで

スペイン出身のデザイナーEvaさん。地元でファッションデザインの学校を卒業したあと、デザイナーやモデルとして活動していました。20代の頃、バスやヒッチハイクでヨーロッパからインドまで横断する旅をしたことがきっかけで、それからの約30年間は世界中で旅を続けます。当時は旅をしながら、現地で手に入れたパーツからハンドメイドアクセサリーを作り、現地で売っていたそう。そして、4人のお子さんの出産を経て、2008年からは家族で日本に暮らしています。

しばらくアクセサリー制作からは離れていましたが、2021年（当時56歳）に、モデル・フォトグラファーとして活動する長女のNATANEさんと次女の美夜さんとともに、ハンドメイドのアクセサリーブランド『añil』を立ち上げました。現在は主にオンラインストアと、ポップアップストアなどのイベントで販売中です。

ディレクターであるEvaさんの長女・NATANEさんが綴った『añil』のコンセプト。「この世界がたくさんの美しい"イロ”で溢れていることに気がついた時、きっと世界が今までと違って見えてくる。私達がどこを切りとるかで、私達が見る世界は変わる。美しさはあなた次第」

『añil』とは、Evaさんの母国語であるスペイン語で「藍/藍色」という意味。藍の花言葉である「美しい装い」「あなた次第」という意味が、アクセサリーにも込められています。

個性的なパーツと色彩を丁寧に紡いだ、物語のあるアクセサリー

『añil』のアクセサリーは、ミャンマーやタイ北部に住む少人数の山間民族によって手作りされている高純度のカレンシルバー、インドのビーズや天然石、タイで見つけた天然染料で染めたヘンプ糸など、世界中から個性豊かなパーツを買い付けて、Evaさんが1人で制作しています。

天然石は、宝石の街といわれるインド・ジャイプールに直接足を運び、買い付けをしてきたもの。

長さが調整できるfree size ネックレスも。コーディネートに合わせたり、重ね付けしたいネックレスに合わせて自由自在です。

カレンシルバーやパールを配した、定番シリーズ「Reina」

「Reina」着用イメージ

今期からは、ナチュラルダイ（草木染め）のヘンプ糸を使った新作のネックレスがデビューしました。長い歴史を持つナチュラルダイは、環境にやさしいのはもちろんのこと、血行促進やリラックス効果があるといわれているそうです。

タイ北部のチェンマイで手作りされているナチュラルダイのヘンプ糸を使った新作。藍の葉、稲、アーモンドの葉、樹液など植物由来の天然染料で染められています。

ナチュラルダイヘンプ糸は涼しげで、これからの季節にぴったりです。長さが調整できるfree size 。

天然石との組み合わせも素敵。ナチュラルダイが自然なカラーリングながら、どこかエネルギーを感じる色彩です。こちらも長さ調整可能のfree size 。

糸の組み合わせが少し変わるだけで、表情も変わります。

Evaさんのインスピレーションの源を尋ねると、「美しい自然」だと話してくれました。美しい自然やお花を浮かべながら、思いのままに手を動かして作る一点ものの作品も多いのだとか。『añil』のアクセサリーからは、世界中を旅し、さまざまな光景に出会ったEvaさんだからこそ生み出せるクリエイティブを感じます。

また、作業中BGMにしている音楽にも影響を受けるようで、フィーリングのままに制作を楽しんでいることもEvaさんらしさ。そんなEvaさんは「ただ身につけるだけではなく、自然や人に寄り添ったお守りのようなアクセサリーを作りたい」と話します。

「10代の子からクウネル世代まで、幅広い年齢層の方に『añil』を手にとっていただいています。年齢・性別に関係なく、楽しんでもらうことが理想です」と話すのは、ディレクターを務める長女のNATANEさん。

母娘で、家族間で、パートナーとも気軽にシェアでできる。その日の気分やファッションに合わせて、身につける人を選ばずに楽しめるのが『añil』の魅力です。