昨年までパリから、リアルなフランスレポートを送ってくれていたクウネル・サロンメンバー・松永加奈さん。前回:大人の女性がときめく香り。日本発ニッチフレグランスブランド『çanoma(サノマ)』デザイナーインタビュー。では友人でもあるという香水クリエイター渡辺裕太さんの香水ブランド『サノマ』を紹介してくれました。後編は香水の扱いや身につけ方についてのレポートです。
日本とフランスでの「香水」の扱いの違い
日本文化の中で培われた感性から、新たな香りを作り出している香水クリエイター・渡辺裕太さん。自身のブランドを展開する中で、日仏の「香水の扱い方」に大きな違いを感じると言います。
「フランスはもともと香水文化なので、ビジネスもプライベートも関係なく、香水を付けるのは普通のことですが、日本では香水を買うときに『これは職場では使えない』という方が結構いらっしゃいます。衛生的な仕事以外でも、オフィスで使うのは難しいと」
「ほかに、シャンプーやハンドクリームの香りと混ざらないか、ということを気にされる方が多くてびっくり。そこには日本人の真面目な気質を感じますが、香水は楽しむもの。いろいろ気にせず自由に使っていいものだということをお伝えするようにしています」
とはいえ、慣れないとなかなか難しい香水の付け方。周りに印象良く、残り香もいい感じに、自分が好きな香りを上手に纏えたら…とイメージしたところで、おすすめの付け方を訊ねると「まずはおすすめしない3つからいきましょう」と渡辺さん。
【おすすめしない付け方】
・こする
手首に付けてこすりあわせたりすると、最初の華やかな香りが消えてしまうので、付けたらそのまま乾かすと良い。
・体の中心線に付ける
香りは下から立ち上るので鼻にずっと香りが当たり続ける。
・空中にスプレーした下を通り抜ける
空気の流れが体をよけるのでほぼ香りは付かないから、やってもいいけれど非効率。
うーん、言われてみれば私にも心当たりが…。もはや手首をこすり合わせる動きは無意識でしたが、NGの理由を聞いて納得。今後は触りたい気持ちをぐっと堪えることにします。
では、おすすめの付け方は?
【おすすめの付け方】
・周りに香らせたいときは「手首」
露出があって動く部分なので、付けてそのままにすれば周囲に1番香る付け方。
・あまり香らせたくないなら「脇腹」
服の中におさまって動きも少なく香りもコンパクト。
・周りと自分に少し香らせたいときは「首筋」
・付ける量は1プッシュずつ左右が目安で、香水によって調整を。
セレクトショップや専門店をはじめ、本当にたくさんの香水がある中で、好みの香りを探し出すコツのようなものはあるのでしょうか。
「1回に試せる量に限りがあるので、選ぶのはとても難しいですが…。まずは時間のある限り、いろんな香りを付けてみることですね。直感的に『いい!』と感じたら使ってみることもおすすめします。あと、私は一時期、いろいろ付けてみてその場では買わず、2~3日後にその香りを思い浮かべることができるか試していました。どんな香りか思い出せたら、自分が求めているものだろうと」
香水好きからブランドを立ち上げ、クリエイターという立場になり「良い香りを社会に提供するブランドでありたい」と話す渡辺さん。全国各地の「çanoma(サノマ)」のポップアップでは予想以上の反響があり、日本でのフレグランスの可能性を十分に感じているそう。
「私にとって香水を付けることは、気分を上げるジュエリーや、自分を守ったり力を与えてくれるお守りを持つ感覚に近い。気持ちを支えてくれる存在ですね」
「日本では、仕事のときは使えないというような制約が多いですが、香りを使わないのが当たり前の世の中だと寂しいなと。香水を使いたいという方はたくさんいらっしゃるので、日常で自由に使える幅が広がっていくといいなと思います」
渡辺裕太/わたなべゆうた
東京大学大学院卒業し、国内外の金融機関勤務を経てパリ第一、第九大学に留学。MBA取得後、調香師ジャン=ミッシェル・デュリエの下でインターンを行い、’20年に香水ブランド「サノマ」を始動。
Instagram:@canoma_parfum
※パリの写真:渡辺裕太氏提供
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