アロマをさまざまなシーンで活躍させている西園寺リリカさん。スキンケアに続き2回目は、生活の中で使える精油の活用法を教えていただきました。精油を買ったはいいけれど、使い切れないかも…と思っている方のために、初心者にも使いやすいラベンダーの精油に絞って使い方をご紹介します!
西園寺リリカ/さいおんじりりか
美容エディター・ライター。アロマ好きが高じて、フランス式アロマテラピーのディプロマを取得。著書に「喘息、肌トラブル、胃腸炎、更年期……すべてアロマで解決しました!」(講談社)など。
【ラベンダーの作用1】心を落ち着かせ、安眠にもお役立ち!
今やアロマの代名詞とも言えるラベンダーはご存知の人も多いはず。そのさわやかなフローラル感のある香りには、さまざまな効能があるようです。
「一般によく知られているのは、リラクゼーション効果。ストレスを和らげたり、気分の落ち込みを軽減したり、質のよい睡眠に導くとも言われています」
そこで西園寺さんが実践しているのがラベンダーの芳香浴。
「芳香浴とは、簡単にいえば精油の香りを空間に広げて楽しむ方法です。仕事中に疲れたな、と思ったらティッシュにポトンと1滴垂らしてデスクに置いて香りを漂わせたり、アロマディフューザーを使って部屋全体を香らせたり。また、お風呂の床に1滴落としてシャワーを浴びると、蒸気とともに香りが立ち上ってくるので、お風呂にゆっくり浸かる時間がないときもリラックスできますよ」
精油を垂らして使うだけなので、これならすぐに真似できそう!
「ラベンダーは原液のまま使える場面が多く、使い勝手のよさは精油の中でトップだと思います」
【ラベンダーの作用2】消臭・抗菌に威力を発揮!
「ラベンダーは抗菌作用があることでも知られています。香りもよくフレグランス感覚で使えるので、デオドラントにうってつけです」と西園寺さん。
「可愛い空き瓶などに数滴落として、クローゼットとシューズクロークの隅に置いています。雨の日に履いた靴やブーツ類はニオイがこもりやすく、ラベンダーは水虫の原因である真菌にも作用するので、精油を垂らしたコットンを靴の中に入れておくことも。また、ライナーに1滴垂らし、デリケートゾーンのケアにも使っています」
ラベンダーの精油入りスプレーを1本作っておくとさらに便利とか。
「室内干しのタオルや衣類、枕カバー、カーテンにシュッとかけておくと消臭に効果的です(精油は可燃性があるので、精油がついたまま乾燥機にかけないよう注意)。ベッドリネンに使うと安眠効果も期待できて一石二鳥。また、マスクの外側につけて風邪予防の抗菌スプレーとしても使っています」
【消臭スプレーの作り方】
・ラベンダー 18滴
・無水エタノール 5ml(小さじ1)
・精製水 25ml(大さじ1+小さじ2)
POINT
無水エタノールに精油を入れてよく溶かしてから精製水を入れます。使用前によく振って使いましょう。無水エタノールと精製水はドラッグストアなどで購入できます。※消毒用エタノールと間違えないようにしましょう。
【ラベンダーの作用3】虫よけ&虫さされに!
「虫は精油の香りがとても苦手。その場から動けない植物は自分を外敵から守るための成分を持っていて、それが精油にも含まれているためと言われています。特に虫よけに効果があるリナロールという成分を多く含む精油はいくつかありますが、ラベンダーもそのひとつ。ヨーロッパでは、ラベンダーの花をサシェにして衣類の防虫に使っていたそうです」
作り方は消臭スプレーと同じですが、肌につける場合は30mlに対して精油を6滴に抑え、消臭スプレーよりも低い濃度で使いましょう。
「春から夏は網戸や玄関まわりに吹きかけて虫の侵入をブロック。蚊よけにはレモングラスの精油も効果的なので、ラベンダーと混ぜるのもおすすめ。また、ラベンダーは鎮静作用が高いので、蚊にさされたあとのかゆみを抑えてくれます。手のひらで少量の植物オイルと精油1滴を混ぜて、さされた部分に塗布。何度か塗るうちにかゆみや腫れがおさまります。肌をかきむしって痕になるとなかなか消えないので、ラベンダーはいつも持ち歩いています」
【虫よけスプレーの作り方】
・ラベンダー 6滴
・無水エタノール 5ml(小さじ1)
・精製水 25ml(大さじ1+小さじ2)
POINT
肌に直接つけない場合は、精油を18滴まで増やしてもOK。
※ご紹介したレシピと作り方は西園寺さんが実践している方法です。精油のメーカーによって使い方が異なる場合や、肌に合わない場合もありますので、購入するアロマショップなどで必ずご相談、ご確認ください。
写真 松村隆史 西園寺リリカ 取材・文 矢沢美香
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