元気と若さのための努力がむしろ逆効果だった!? 前回に引き続き精神科医の和田秀樹先生が目からウロコの健康法を伝授します。
和田秀樹/わだひでき
精神科医。和田秀樹こころと体のクリニック院長。1960年大阪府生まれ、東京大学医学部卒業。30年以上、高齢者医療の現場に携わる。近著に『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』(マガジンハウス)。
ドクターに嫌われて上等。うるさい患者であれ
悲しいかな、年をとると健康に自信がなくなり、病院で検査や診察を受ける回数が増えていきます。
「その結果、多くの高齢者が血圧や血糖値を下げる薬を処方され、何年も飲み続けることになります。血圧や血糖値を下げる薬には、だるさを感じたり足元がふらつく、という副作用も。だるい 人生を長く続けたいですか?そもそもそれらの薬は服用中だけ数値を下げる対症療法です」
「私は、そこまでして血圧や血糖値を下げ続けるべきなのか、疑問を持っています。なぜなら高齢者にとっては、数値が「高い」ことより 「低すぎる」方が危険、という見方もできるから。多くの人が、投薬や治療に疑問や不満を感じても、それを医師に言うと嫌われると遠慮をしています」
「でもそんな心配は無用。薬を処方されたら、この薬にはエビデンスがありますか?と聞きましょう。手術を受ける前には、クレーマーと思われるくらいしつこく質問しましょう」
「失敗したら訴えそうな雰囲気を匂わせた方が、医者も油断しません。更年期以降は、鬱や睡眠障害で精神科を受診する人も増えると思います。特に精神科の場合、同じ抗うつ剤を出し続ける医師ではなく、改善するまで薬を変えてくれる医師を求め、ドクターショッピングするべき。安易に睡眠薬などを処方するだけの医師を避け、生活面も含めてカウンセリングできる精神科医を探してください」
『クウネル』2022年11月号掲載
イラスト/菊野友美、材・文/片岡えり、構成/今井 恵