田中賢介/たなかけんすけ
北海道日本ハムファイターズ内野手として活躍後、教育者の道へ。子どもたちの未来のためにという思いから、今春より札幌で小学校、幼稚園、保育園、こども園の経営をスタート。
Short Essay:
「ひっこめヘタクソ」
プロ野球選手だった頃、ヤジを浴びることは普通にあった。つらいけど、一発逆転を期待して大勢の観客の前で三振したんだからしょうがない。 みんなのがっかりもわかるけど、期待に応えられなかった自分が 一番へこむ。
へこんだ気持ちを引きずるとミスを重ね、泥沼にはまる。負のスパイラルというやつだ。だから一刻も早く気持ちを切り替えなきゃいけない。自分のために、周りのために。
そしてミスの原因が自分にあるなら反省し、次に活かし、大丈夫だと胸をはればいい。自分では解決できないことが原因なら、それはどうにもできない。悔やんでも仕方ない、忘れよう。
こうやって切り分けるだけで、心のへこみが治り、前を向いて歩き出せる。慣れるまでは紙に書き出せば、視覚の力で明確になる。
メンタルが強い、弱いとよくいうが、結局のところ切り替えの早さなのでは?今の社会、人が大声で感情的に理不尽を押し付けるようなことはなくなりつつある。
では、ひどい言われ方をしなければへこまないか?というと、そんなことはない。周りからの無言の圧力も同じようにつらい。自分の内側からも後悔は湧き上がってくる。
だから、負のスパイラルに陥らないため、持続的に社会で力を発揮するためには、切り替えの早さがものをいう!
文/田中賢介 写真/久保田千晴
●その他、ミニエッセイシリーズ
◎【マチュア世代へ…おやすみ前のミニエッセイ】小山登美夫さん「生きた時間をアートにする」
◎【マチュア世代へ…おやすみ前のミニエッセイ】音楽家、日本酒蔵元12代目・かの香織さん「幸せの入り口」
◎【マチュア世代へ…おやすみ前のミニエッセイ】画文家・大田垣晴子さん「重い腰を上げて新しいことを始める」