<クウネル・サロン>プレミアムメンバー青木美詠子さんに収納のコツを教わる連載。整理収納アドバイザーの資格をもつ文筆家で、とにかくおうちがすっきり、気持ちがいい。「すっきり住まい」の秘訣を少しずつ教えていただきます。今回の収納場所は衣替えもあり常に洋服が増えていきがちなウォークインクローゼット。
今回は、ウォークインクローゼットです。設計の際、自分の部屋を小さくして捻出した細長いスペース。その両側にパイプを通し、右が私、左が夫の服です(少し整えましたが、多くの洋服をきれいに撮るのが難しく、こんな感じで失礼します……)。
洋服は弱い分野なので、減らせない方のお悩みも心底わかります。できなかった方法もいろいろ。「2年着ない服は処分する」とか、「1枚買ったら、1枚処分する」とか……。長く着てないのに後で急に着る服もたまにあるし、何かを買ったからといって、どれかを処分するのは、つらくて。
定期的に「ひとりファッションショー」で選別を
私が長年続けている方法は、「全部の服を出し、着てみて判断」です。時間もかかりますが、楽しもうと考え直すと、ファッションショー的娯楽にもなります。確実に必要な服は着なくてもよく、意外と数時間から半日で終わったりも。やはり手に持つのと、着るのは大違いで、「キツい」、「今の自分には若すぎ」、「これを着てどこへ行くのか」、「気分が下がる」、「肌触りが」など、一発でアウトにできやすいのです。
それでも「着るかなあ」と迷うものも多く、戻したりも。でもそれを繰り返すと、「ずっと着ていないこれを何回出したり、しまったりしてるんだろう。時間も場所も気力も無駄すぎ」とあきれ、ついに処分できたりします。面倒ですが、この儀式を通過すると、本当に着ないと確信が持てるのです。また「なぜ減らないか、自分特有の理由をよく考える」も有効。「私は冷えとり健康法をしていて、汗をよくかくので、Tシャツなど多く必要。だからミニマリスト的少なさにはならないのだ」などと認識でき、少し自分を許せたり。また「布好きで捨てられない人なのだから、気軽に買わない」も発見できたことです。
「全出し」ならアイテムの把握も
今は大量に減らせなくても、「クローゼット全出し」後に数枚ずつでも減るのが楽しみ。たまに『無印良品』のセールなどで買ってしまいますが、お店でも強く警戒し、「今パンツは多いから、1本も買わない。探すのはカーディガンのみ」などと抑制できるようになりました。
「全出し」をすると、持ちすぎてるアイテムが頭に入り、抑止力になるのです。また戻す途中で、コロナ禍では外出着より、カジュアルなものが必要と気づいたりも。そしてあまり減らなくとも、全貌を把握できて頭がスッキリします。
愛用のハンガーを駆使してコンパクトに
私と違い、おしゃれが好きでどんどん増える方は、より真剣に考えてフリマや寄付、資源ゴミなど、自分なりの循環方法を確立しないとたいへんです。「買い続け、詰め込み、着ない」は、洋服好きとは言えないかも。細かい話としては、ハンガーを揃えるときれいに見えます(うちのは大昔にドンキで揃えた100円の木製ですが)。でもカーディガンが滑り落ちるので、重ね掛けに。それをやめたくて探した『TAYA』のハンガーがとてもいいです(有名な「マワハンガー」はなかなか1本で購入できず、試せないまま)。
洋服を買う時は、「洋服&スペース」とひとくくりで考える癖をつけたほうがいいかもしれません。私も「セールに行かなかったから、お金も使わず、クローゼットのギュウギュウを加速させなかった!」なんて思うようにもなりました。家のクローゼットを守りましょう。