パン界で最近注目のキーワード「サワードウ」。小麦粉やライ麦粉を水と混ぜて野生の酵母と乳酸菌で自然発酵させる、ヨーロッパ伝統のパン種の一種です。本場のサワードウの味を追い求めて、世界中で修行を重ねた宮脇さんが開いたベーカリー、『VANER/ヴァーネル』。同じ材料でも棲む菌によって味に個性が出るというサワードウの作り方や、オススメの食べ方をご紹介します。
VANER
ヴァーネル
今日のブームの火付け役ともいえる米サンフランシスコの『タルティーン ベーカリー』。そのパン作りに感銘を受けた宮脇司さんが、アメリカ、ノルウェーなどでノウハウを学び、 2018年に構えたベーカリーです。
谷中にある古民家を改装した店内では、宮脇さんがサワードウブレッドを作る様子を見られます。小麦とライ麦から起こした酵母と、国産小麦にノルウェー産古代小麦の全粒粉をブレンドした粉、水、塩だけで作った生地を、 目と手の感触を頼りに、発酵、成形、 焼成。同じ材料でも、そこに棲む菌によって味に個性が出るのが、このパンの面白さ。谷中の空気を吸ってできたサワードウブレッドは、酸味に重なるうまみとしっとり感が印象的です 。
サワードウってなんですか?
小麦粉、またはライ麦粉と水だけで起こす天然酵母のひとつ。トレンドとして注目されているが、実は「太古の昔からある古いパン種。発酵過程で生まれる菌により、パンに独特の酸味やうまみ、甘味がつきます」(宮脇さん)。
【おすすめの食べ方】
軽く温めてバターを塗り、シナモンシュガーをふりかければスイーツ風に。アーモンドバターと蜂蜜を塗り、塩を振ってトーストしても。
住:東京都台東区上野桜木2-15-6 上野桜木あたり2
電 :03-5834-8137
営:9:00~18:00(土、日曜8:00~17:00)
休:月・火曜
『ku:nel』2021年3月号掲載
取材・文 齋藤優子/写真 小出和弘
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