スピリチュアルな空気感、風土や歴史の奥深さが暮らしの中に息づく町。【地元の本屋さんとつくった町歩きガイド/松江・出雲編Part1】

【地元の本屋さんとつくった町歩きガイド/松江・出雲編Part1】 メイン画像 出雲大社 摂社 命主社(いのちぬしのやしろ)

ドラマの舞台として、縁結びの地として、目下、人気上昇中の旅先! 観光地にも外れた所にも宿る地のスピリッツを感じて。今井書店にお話を伺いました。

ガイドを一緒につくった地元書店

今井書店

1872年創業、山陰エリアに密着した書店グループ今井書店。「すごせる書店」、松江本店の店長に地元ガイドとおすすめ本の選定の先導をお願いしました。

オーセンティックに浸り文化や風土の今を遊ぶ旅。

松江・出雲は島根県東部、宍道湖を取り囲み出雲地方の要をなす地域。松江を拠点に、出雲にも足を延ばす旅をスタート!

「ゲストを連れて行って好きになってもらえると言えば、まずはスピリチュアルな場所。地域や日本の歴史を感じ取れる場所は普通に暮らしの中にあります」と今井書店松江本店の店長、吉儀千栄美さん。おすすめの一つ、遺跡公園である田和山は書店の近所で「松江市内が広く見渡せ夕景も美しく、地形もユニーク」

風に吹かれているとここでは太古から今に至る時間がひと続きと思えて。

田和山遺跡

【地元の本屋さんとつくった町歩きガイド/松江・出雲編Part1】 アイキャッチ

松江市立病院に隣接した高さ45mの遺跡公園の山に登ると、宍道湖への視界は遮るものなく、縁があれば夕陽と湖面が織りなすページェントの観客に。墨絵に茜やすみれ色を描き足したような複雑な陰影に声もなく。
住:松江市乃白町32-3 HP
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田和山遺跡

のんびりした昼の情景。弥生時代の集落跡で山頂は3重の環濠に囲まれている。「手すりつきの段がつけられていて、登るのは意外に簡単です」(今井書店)

いにしえに思いを馳せたと言えば、小泉八雲もそうでした。『知られぬ日本の面影』には古事記に魅せられた彼が神々の国の首都と言う松江に暮らした時の体験が多く描かれますが、八雲の旧居に佇むと往時がたやすく偲べます。

小泉八雲旧居

小泉八雲旧居

ラフカディオ・ハーン(のちの小泉八雲)が「日本の庭にて」と題された文章で、「お気に入り」と書いた旧居の北側の庭。池の蓮葉にたまる雨水の図柄にも心を寄せた彼、こんな雨の朝は蛙の鳴き声に聞き入って遅刻をしたのかも。「お宅と庭を長らく守って来られた方々の尽力にも感動です」(今井書店)
住:松江市北堀町315(小泉八雲記念館)開館:4〜9月 9:00~18:00、10〜3月 9:00〜17:00 休:無休(メンテナンス休館あり) HP
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出雲地方を訪ねる多くの人が目指す出雲大社。拝殿、本殿に参ったら境内外の摂末社を巡るのも、昨今は大概の参拝客の定番。『水木しげるの古代出雲』にも登場する命主社では、樹齢千年のムクノキにも圧倒されて。

出雲大社(いづもおおやしろ)

出雲大社 本殿

出雲大社 本殿
「むすび」を司る大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を祀る。本殿は70万枚の檜皮を葺いた屋根で24mの高さを誇り、瑞垣の外から拝んでも大きく威厳ある佇まい。
住:出雲市大社町杵築東195 社務所:8:30〜17:00 参拝は自由 HP
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【地元の本屋さんとつくった町歩きガイド/松江・出雲編Part1】 メイン画像 出雲大社 摂社 命主社(いのちぬしのやしろ)

出雲大社 摂社 命主社(いのちぬしのやしろ)
神魂伊能知奴志神社(かみむすびいのちぬしのかみのやしろ)が正式名。大国主大神が生死を問う苦境にあった時、幾度も救った神で生命力を産み成す霊力の根源と言われる。大社の境内から出て東へ徒歩5分の場所に。

出雲地方に特有の雲の出現や水辺の光景。刻一刻の変化を見ていると、安らかさと同時に自然の厳かさまで感じられます。「夕陽は松江では県立美術館の周辺や館内から見るのが定番で、市民人気も高くて。美術館の鑑賞もぜひ」

島根県立美術館

島根県立美術館

水の都と呼ばれる町に根差す美術館は、水をテーマとした所蔵絵画や北斎コレクションの質量にも定評が。建物一面のガラスに映る夕陽も美しければ、ロビーから見る宍道湖や山並みに沈みゆく夕陽にも時を忘れる。
住:松江市袖師町1-5 開館:3〜9 月 10:00〜日没後30分、10〜2月 10:00〜18:30(展示室への入場は閉館時刻の30分前まで) 休:火曜  HP
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井上橋(いあげばし)

井上橋

宍道湖へ流れ込む斐伊川(ひいかわ)は太古から氾濫を繰り返した砂河川で、八岐大蛇伝説の正体ともされる。増水時は水没する沈下橋も数か所に。出雲市武志と斐川町鳥井を結ぶ橋からは大社方面の山や雲を望め、砂と水が描く文様と緑の帯のプリミティブな光景が。
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出雲民藝館は土地に育くまれた民藝品展示ばかりでなく、館全体が今に息づく美しい生活様式を伝えます。

出雲民藝館

出雲民藝館

出雲の代表的な豪農の邸宅を改修し、生活の中で使われてきた布志名焼などの陶磁器、漆器、染織、農具などを集める。民藝の心を伝える展示に加え、建物の大工・左官仕事や瓦屋根、庭の保たれ方も必見。ここは米蔵だった本館。島根の民藝品が並ぶ売店も立ち寄って。
住:出雲市知井宮町628 開館:10:00〜17:00(入場〜16:30) 休:火曜(祝祭日の場合は翌日) HP
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今井書店 松江本店

今井書店 松江本店

2025年オープン。智頭杉書架の香りに包まれソファで本を読むこともできる。
住:松江市田和山町88 営:9:00〜22:00 休:無休   併設のIAM COFFee Pizzeria&Cafeは9:00〜20:00(L.O.19:00) HP
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郷土本コーナーも充実。

今井書店 松江本店 吉儀千栄美さん

吉儀千栄美さん
店長。児童書にも強い。「家族で楽しめる松江本店のコンセプトを発信したいですね」。郷土本の最近のベストセラー小泉節子(セツ)著『思ひ出の記』も注目。

\松江・出雲 町歩きガイドマップ/

『クウネル』2026年9月号掲載
写真/上原朋也、マップ/尾黒ケンジ、取材・文/原 千香子

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旅を深める本76冊と歩く、京都。

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